企業のSNSブランディングとは?基礎から実践まで初心者にもわかりやすく解説

企業のSNSブランディングとは?基礎から実践まで初心者にもわかりやすく解説

企業のSNSブランディングとは?基礎から実践まで初心者にもわかりやすく解説

「SNSで自社のブランド力を高めたいけれど、何から始めればいいのかわからない」
「企業アカウントを運用することになったけど、ブランディングって具体的に何をすれば良いの?」


そんなお悩みをもつ方も多いのではないでしょうか。

本記事では、SNSを使った企業ブランディングの基本から実践ステップまでを、わかりやすく解説します。

SNSブランディングとは?

SNSブランディングとは?

SNSブランディングは、企業がSNSを通じてブランドイメージを確立し、ファンや顧客との関係を深めていくための手法です。

ブランディングとは、企業や商品の価値を明確にし、顧客の心に特別な存在として印象づける戦略的なプロセスとなります。

単なる宣伝活動ではなく、「この会社らしさ」を一貫して表現し、顧客との長期的な関係構築を目指すものです。

なぜ今、SNSブランディングが注目されているのか?

なぜ今、SNSブランディングが注目されているのか?

消費者は今、テレビCMよりもSNSから情報を得ています。

総務省の「令和5年度情報通信メディア調査」の結果によれば、インターネット(SNSを含む)は「情報源としての重要度」が非常に高いとされています。 特に10~40代では約9割(87.9%~90.3%)が、インターネットを「最も重視しているメディア」として挙げています

ここからは、SNSブランディングが重要視される具体的な理由を見ていきましょう。

SNSがブランディングに適している理由

SNSには、従来のマスメディアにはない特徴が数多くあります

以下の特性が、ブランドの魅力をより効果的に伝える手段として機能します。

即時性 最新情報をリアルタイムで発信・共有でき、素早い反応や対応が可能
双方向性 コメントやDMを通じてユーザーと直接対話できる
拡散力 「いいね」や「シェア」機能により、情報が自発的に広がり、多くの人々に短時間で届く
視覚訴求力 画像や動画によって世界観や価値観を視覚的に伝えられる

SNSを運用することで、企業が単に商品情報を届けるだけでなく、「どんな価値観を持ち、どんな姿勢で顧客と向き合っているか」を自然に伝えることが可能になります。

これにより、日常的な投稿を通じた信頼構築や、ブランドへの親しみ・共感が生まれやすくなります

SNSだからこそ生まれるブランド価値

SNSブランディングにより、企業と顧客の間に深い関係性を築くことができます

以下の4つは、SNSならではのブランド価値といえるでしょう。

リアルタイムなやりとりによる顧客満足度の向上

フォロワーの行動データを活かしたパーソナライズ体験の提供

同じ価値観をもつ人々のコミュニティ形成

企業のストーリーや理念に共感を呼ぶ「感情的つながり」の創出

企業の背景や想いをオープンにすることで、ファンがブランドの一部として主体的に関わるきっかけとなります。その結果、「商品を売る側・買う側」という単純な取引関係を超える絆が生まれ、ブランド支持・共感の獲得へとつながっていきます。

SNS活用でライバルに差がつく

SNSを活用したブランディングは、競合との差別化にも直結します。特に視覚的インパクトやスピード感が求められる現代においては、SNSの「即応性」や「拡散力」が差を生む要因となりえます。

認知獲得のスピードで優位に立てる「先行者メリット」

独自の世界観を発信することで競合との差別化が可能

顧客との対話から市場ニーズを迅速にキャッチできる

丁寧な発信とユーザー対応を重ねることで、「このブランドだから選ぶ」理由が生まれます。

SNSブランディングで目指すべきゴール

SNSブランディングで目指すべきゴール

SNSブランディングで目指すべきゴールは3ステップで考えるとわかりやすいでしょう。

まず「ブランド認知の拡大」で、SNSの拡散力を活かして自社の存在と価値を多くの人に知ってもらいます。

次に投稿やコメント対応を通じた「顧客との信頼関係構築」に注力します。 そして最終的には、単なる顧客を超えた「ブランドファン」を育てることを目指します。

「ブランドファン」こそが、自発的に企業の魅力を広げる、最も強力な味方になる可能性があります

SNSブランディングのメリット・デメリットを整理しよう

SNSブランディングのメリット・デメリットを整理しよう

SNSブランディングは、企業の成長に大きく貢献する一方で、運用を誤ればブランドイメージの損失につながるリスクもあります。

始める前に「何が得られるのか」「どんな落とし穴があるのか」を正しく把握することが、リスクを最小限に抑える鍵となります。

ここでは、SNSブランディングの主なメリットと注意すべきポイント、そしてそれらを乗り越える工夫について整理していきましょう。

SNSブランディングで得られる5つのメリット

企業がSNSブランディングで得られるメリットを5つ見ていきましょう。

①コスト効率の良さ

テレビCMや雑誌広告などの「従来型メディア」と比較して、SNSは初期投資が少なく、リーチあたりのコストが大幅に抑えられます。特に小規模な広告出稿からテストできる点が魅力です。

②ピンポイントなターゲティング

年齢、性別、興味関心など詳細な条件設定で、本当に届けたい人に絞ってアプローチできます

③顧客との直接対話

コメントやDMを通じた「直接的なコミュニケーション」で、信頼関係構築が加速します

④ユーザー発信コンテンツの獲得

顧客自身が商品の魅力を発信するUGC(ユーザー生成コンテンツ)は、購買意思決定に強い影響力があります

⑤データに基づく継続的改善

投稿の反応や傾向をリアルタイムで測定・分析し、効果的な施策を継続できます。

事前に知っておきたいデメリットとリスク

SNSブランディングにはいくつかの課題もあります。

運用負荷の大きさ 週3~5回の投稿が推奨されるなど、継続するための人的リソースが必要
炎上リスク 悪意が無くても、不適切だと判断されれば瞬時に拡散される可能性がある
効果測定の難しさ フォロワー数など目に見える数値が高くても、必ずしも売上向上に直結しない
外部要因の影響 アルゴリズム変更など、プラットフォーム側の変更に影響を受けやすい

デメリットをカバーする実践的な工夫

これらのデメリットは適切な対策で軽減できます。下記を参考に、効率的な運用体制を構築しましょう。

運用負荷の大きさ ・コンテンツカレンダーの活用
・投稿テンプレートの準備
炎上リスク ・SNSガイドラインの整備
・投稿前チェック体制の確立
効果測定の難しさ ・短期:エンゲージメント率の測定
・長期:ブランド認知度の測定
外部要因の影響 ・複数SNSの活用
・自社メディアとの連携

数字だけを追求していると、本来のターゲット層とのミスマッチが生じる可能性があります。 数字だけでなく、質の高いフォロワーとの関係構築を重視することで、持続可能なSNSブランディングが実現できるでしょう。

【すぐに始められる】SNSブランディングの基本戦略

【すぐに始められる】SNSブランディングの基本戦略

SNSブランディングを成功させるには、計画的な戦略設計が欠かせません。

ブランドの核となるアイデンティティを明確にし、コンテンツやコミュニケーション、改善施策まで一貫性を持って実行しましょう。

ブランドの「軸」を明確にする

SNSブランディングの第一歩は自社の価値や強みを明確にすることです。 他社との差別化ポイントや顧客が自社を選ぶ理由、創業理念などを従業員インタビューや顧客アンケートで洗い出しましょう。

次に、ターゲットとなる顧客像(ペルソナ)を具体的に設定し、「どんな課題を抱え、自社はどう解決できるか」という視点でアプローチします。

これらを踏まえて、キーメッセージやブランドの話し方(ブランドボイス)、ビジュアルの統一感など、一貫性のあるブランド表現を設計していきます。

投稿コンテンツを管理する

効果的なSNS運用には計画的なコンテンツ制作が不可欠です。 ここで重要なのが「コンテンツカレンダー」となります。

これは年間・月間・週間の投稿計画を一覧化したもので、いつ、どんな内容を、どのSNSに投稿するかを管理するツールです

内容は、役立つ情報を提供する教育系、興味を引く楽しいエンターテイメント系、商品やサービスを紹介するプロモーション系をバランスよく組み合わせましょう。

各SNSの特性に合わせた投稿頻度や、フォロワーの活動が活発な時間帯を考慮した投稿タイミングも成功の鍵となります。

フォロワーとの関係を育てる

SNSの大きな強みは「双方向コミュニケーション」にあります。 コメントには可能な限り返信し、パーソナライズした対応を心がけましょう。

また、熱心なフォロワーへの特別対応、ユーザーが生成したコンテンツ(UGC)の紹介、限定情報の提供などを通じてファン化を促進しましょう

ハッシュタグキャンペーンなどのユーザー参加型企画は、単なる「フォロワー」から熱心な「ファン」への変化を促す効果的な手法です。

効果測定と改善のサイクルを回す

継続的な改善のためには明確な目標設定とデータ分析が欠かせません。

まず最終的に達成したい目標である「KGI(Key Goal Indicator)」を設定します。これは「年間売上10%増加」などのビジネス目標です。

次に、その目標達成に必要な「KPI(Key Performance Indicator)」を複数設定します。

KPIには認知拡大(フォロワー数など)、エンゲージメント(いいね数など)、トラフィック(クリック数など)、コンバージョン(購入数など)、ブランド指標(言及数など)といった指標が含まれます。

各種分析ツールを活用し、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを定期的に回すことで、KPIの達成度を確認しながら、最終目標であるKGIの達成を目指しましょう。

SNSブランディングに適したプラットフォームの選び方

SNSブランディングに適したプラットフォームの選び方

SNSブランディングを成功させるには、適切なSNSプラットフォームを選ぶことが欠かせません

総務省の「令和5年度情報通信メディア利用動向調査」を参考に、各SNSの特徴や強みを理解し、自社の業種や目的に合った最適なSNSを見極めましょう。

Instagram

Instagramは視覚的表現に強いプラットフォームで、ストーリーズやリールなど多様な形態での発信が可能です。

総務省調査によれば、Instagramの利用率は56.1%、特に20〜30代女性の利用率が高くなっています

ブランディングにおける活用のポイントは下記のとおりです。

統一された世界観の写真・動画投稿

ハッシュタグ戦略

ストーリーズ活用

インフルエンサーコラボ

ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用

X(旧Twitter)

X(旧Twitter)は短文中心のリアルタイム性が高いプラットフォームで、情報拡散力に優れています。

総務省調査によると、利用率は49.1%で、特に10代から30代が利用率が高いですが、幅広い年齢層に利用されています

ブランディングでの活用を目指す場合は、下記を意識して運用を行いましょう。

タイムリーな話題への参加

顧客との直接対話

簡潔で個性的な文体の確立

効果的なハッシュタグ活用

迅速な問い合わせ対応

Facebook

Facebookは多様なコンテンツ形式に対応し、詳細なターゲティング広告が特徴です。

総務省調査によると、利用率は30.7%、特に30代以上のビジネスパーソンの利用率が高いのが特徴です。

効果的なブランディングのために、、下記を意識して運用を行いましょう。

企業理念の発信

詳細な情報提供

グループ機能の活用

イベント告知

精緻なターゲティング広告の活用

LINE

LINEは国内最大級のメッセージングアプリで、総務省調査によると日本の利用率は94.9%に達する直接的コミュニケーションツールです。

10代から高齢者まで全年齢層に幅広く普及しており、小売・EC、飲食店、美容サロン、地域密着サービス、顧客サポートに適しています

ブランディングに活かす際のポイントは下記のとおりです。

1対1のパーソナルなコミュニケーション

クーポン配信

リッチメニューの活用

戦略的な友だち追加施策

通知機能の活用

TikTok

TikTokは短尺動画中心のエンターテイメント性の高いプラットフォームで、総務省調査によると若年層を中心に利用率が急速に拡大し、現在は32.5%程度となっています。

アルゴリズムによる高い拡散力が特徴で、若年層向け商品、エンターテイメント、アパレル業界に最適です。

下記は、TikTokをブランディングに活用する際に押さえておくべきポイントです。

エンタメ性の高い動画コンテンツ制作

トレンドへの積極的な参加

効果的なBGM選択

若者言語の適切な活用

戦略的なハッシュタグ活用

YouTube

YouTubeは世界最大の動画プラットフォームで、総務省調査によると日本での利用率は87.8%に達しています

検索エンジン機能も強く、全年齢層に利用されています。

製品解説や、教育・研修サービス、技術ノウハウ発信などの、複雑な説明にも向いています。

ブランド構築においては、以下が成功につながるポイントとなります。

質の高い解説動画の制作

ブランドチャンネルの一貫性維持

効果的なSEO対策

シリーズコンテンツの継続的展開

視聴者コミュニティの形成

SNSブランディングを成功に導くポイント

SNSブランディングを成功に導くポイント

成果を出している企業のSNSブランディングには、いくつかの共通点があります。 継続性、一貫性、リスク管理、社内体制など、成功の裏にあるポイントを参考に、自社のSNS運用に活かしましょう。

成果を出している企業SNSに共通すること

成果を出している企業は、投稿内容やトーン、ビジュアルを通じて一貫したブランドの個性を表現しています。これにより、見る人に「この企業らしさ」が伝わり、記憶に残りやすくなります。

また、自社が伝えたいことよりも顧客が知りたい情報を優先し、ユーザーの悩みや関心に寄り添ったコンテンツを提供しています。 一方通行の情報発信ではなく、質問への丁寧な返答や顧客意見の採用など、双方向のコミュニケーションを大切にしている点も特徴です。

さらに、SNS運用を単なる広報活動ではなく全社的な取り組みとして位置づけ、経営層の理解とサポートを得ていることも重要なポイントです。

限られたリソースでの効率的な運用法

多くの企業は限られた人員でSNS運用を行わなければなりません。 すべてのSNSに手を出すのではなく、自社のターゲットに最適なプラットフォームに絞りましょう

一度作成したコンテンツを複数の形式に展開する方法も効率的です。たとえば、ブログ記事の内容を分割してSNS投稿にしたり、セミナー資料を画像コンテンツに変換したりする方法があります。

さらに、SNS管理ツールや画像編集ツールを活用することで作業時間を短縮できます。 ユーザー参加型の企画を実施して、顧客自身が投稿してくれるコンテンツを増やす仕組みも効果的です。

社内のさまざまな部門のメンバーに協力してもらい、開発秘話や社員インタビューなど多彩なコンテンツを生み出すのもおすすめの方法です。

社内協力体制を整える

SNS運用を成功させるには、効果的な管理と社内協力が鍵となります。ガイドラインの整備では、投稿基準やチェック体制、対応が難しい話題への方針を事前に決めておきましょう

問題発生時には、投稿の一時非公開から状況確認、対応決定、謝罪文作成までの流れがあらかじめ決まっていると安心です。

また、経営層や他部門の理解を得るためには、「フォロワー数の増加」や「問い合わせ件数の向上」など、具体的な数値目標を示すことが効果的です。

競合他社の成功事例を紹介したり、小規模な試験運用から始めることを提案したりするのもよいでしょう。

まとめ|SNSをブランディングに活用しよう!

まとめ|SNSをブランディングに活用しよう!

SNSブランディングは、基本を理解して丁寧に取り組めば着実に成果が出せる可能性を秘めています。ブランドの軸を明確にし、計画的なコンテンツ制作と顧客との対話を続けることが重要です。

まずは1つのプラットフォームから始め、自社ならではの強みを活かした独自のSNSブランディングを構築しましょう。

数字だけでなく、顧客との対話を通じた継続的な改善が真の価値です。

株式会社NWSでは、企業のSNS活用やWeb集客に関する研修・コンサルティングサービスを提供しております。 貴社の課題やご要望に応じた最適なサポートをご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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NWS ライターチーム | manami

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