「若年層向けのマーケティング手法を探しているけれど、TikTokって本当に効果あるの?」
「競合がTikTokの運用を始めたけど、うちも始めるべき?」
そんなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事ではTikTokマーケティングの基本から効果的な運用方法や注意点まで解説します。
TikTok運用の不安を解消し、成功に導くヒントが満載です。ぜひ最後までご覧ください。
目次
TikTokの特徴とユーザー属性
TikTok(ティックトック)は、中国の「ByteDance社」が運営するショートムービーの投稿・視聴ができるSNSアプリです。
以下では主な特徴とユーザー属性を解説します。
特徴
TikTokの特徴は以下の通りです。
15秒~3分の短尺動画がメインに投稿・共有される
中毒性が高い
Z世代・若年層にリーチできる
トレンドを活用すれば自然にプロモーションできる
また、TikTokにはユーザーの好みに最適化されたコンテンツが次々と表示される「レコメンド機能」と呼ばれる仕組みがあります。
そのためフォロワーが少なくても、好みにマッチすると判断されれば、ユーザーにリーチできます。
TikTokをマーケティングに活用すれば、ブランド認知度の向上や、顧客エンゲージメントの促進、売上増加などの効果が期待できるでしょう。
ユーザー特性
TikTokのユーザー特性は以下の通りです。
主な年齢層 | 10~20代 |
---|---|
男女比率 | ・男性:29.2% ・女性:35.9% |
若年層の利用者がメインですが、近年では利用している平均年齢も上がっているようです。
(参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>|令和6年6月総務省情報通信政策研究所)
SNSマーケティングにおけるTikTokの強み
TikTokには、以下のような強みがあります。
情報拡散力が高い
投稿のハードルが低い
視覚的に訴求力が高い
エンゲージメントを高めやすい
情報拡散力が高い
TikTokのアルゴリズムは、ユーザーの興味関心に合わせて「おすすめ」欄に動画を表示しています。そのため、フォロワーが少ないアカウントでも質の高い動画は多くのユーザーに届き、拡散されやすいのが特徴です。
またハッシュタグチャレンジやデュエット機能などを活用すれば、ユーザーの興味を惹きやすく、さらなる拡散が期待できるでしょう。
投稿のハードルが低い
TikTokはアプリ内で動画の撮影から編集、音楽やエフェクトの追加まで簡単に行えます。
そのため高度な編集スキルがなくても、クオリティの高い動画を作成できるのが強みのひとつです。
またショートムービーが中心のため、長時間の動画制作に時間をかける必要がありません。
視覚的に訴求力が高い
TikTokは、ショートムービーに特化しており、視覚的に訴求力の高いコンテンツが豊富です。
音楽やエフェクトを効果的に使用することで商品やサービスの魅力をより印象的に伝えられます。
エンゲージメントを高めやすい
TikTokはダンスや歌、チャレンジなど、ユーザーが気軽に参加できるコンテンツが人気です。ユーザー自らが参加することで「自分も一部である」と感じられ、自然とエンゲージメントが高まります。
また、コメント欄でのユーザー同士の交流なども、エンゲージメント率の向上につながります。
エンゲージメント率は、ユーザーの興味・関心や満足度を示すため、SNSマーケティングの中でも特に重視すべき指標です。
エンゲージメントを高める施策として、以下の例が挙げられます。
ユーザー参加型のキャンペーン
ハッシュタグチャレンジやデュエット機能
ライブ配信機能
これらの施策は、エンゲージメントを高めるだけでなくブランドへの親近感向上も狙えるでしょう。
TikTokのビジネスモデル
TikTokには現在大きく分けて4つのビジネスモデルがあります。
- 広告収益
- 投げ銭(TikTok LIVE Gifting)
- 自社製品・サービスへの誘導
- 企業案件
それぞれの特徴を解説します。
広告収益
TikTokには多様な広告フォーマットがありますが、主な配信形式は以下の3つです。
起動画面広告 | アプリ起動時に全画面表示される広告 |
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インフィード広告 | 通常の投稿と同じように表示される動画広告 |
ハッシュタグチャレンジ広告 | ユーザー参加型のキャンペーン広告 |
広告をうまく活用すれば、ターゲットを絞り込み、効率的に集客を行うことができます。
投げ銭(TikTok LIVE Gifting)
投げ銭(TikTok LIVE Gifting)とは、ライブ配信(TikTok LIVE)で視聴者が購入したコインを配信者にギフトとして送信できるサービスです。
2021年に開始されて以来、多くのユーザーが活用しています。
視聴者と配信者では、ギフトの取り扱い方が以下のように異なっています。
視聴者 | TikTok内でコインを購入し、ギフトと交換 |
---|---|
配信者 | 受け取ったギフトを「ダイヤモンド」と呼ばれるポイントに換金し、現金として授受 |
ギフトは現金に換金できるため、配信者の収益源となります。
視聴者はギフトを送ることで、配信者への直接的な応援や感謝の気持ちを表現できます。
また、配信者もギフトを受け取ることで視聴者からの応援を実感でき、配信のモチベーションにつながります。
このように投げ銭は、配信者と視聴者のコミュニケーションを活性化させる効果があるのもポイントです。
自社製品・サービスへの誘導
TikTokは、自社製品やサービスへの誘導にも有効です。以下のような手法があります。
プロフィール欄に自社ホームページなどのURLを掲載する
商品紹介動画やレビュー動画を投稿する
またTikTokはプラットフォーム上で商品・サービスの販売が可能です。
主に以下の方法で販売機能が提供されています。
ライブショッピング | ライブ配信中に商品やサービスの詳細ページを表示し、視聴者がアプリ内で商品を購入できる機能 |
---|---|
プロダクトショーケース | TikTokのアカウントページにショッピングタブを設定できる機能 |
企業案件
TikTokで影響力を持つ「インフルエンサー」に自社の商品やサービスをPRしてもらう方法もあります。
インフルエンサーは特定の分野で影響力を持ち、関心の高いフォロワーを多く抱えています。
自社のターゲット層に近いインフルエンサーと協業することで、商品やサービスを効果的にPRでき、認知拡大や購買促進が期待できます。
TikTokの基本的な運用方法
TikTokには、主に以下の4つの運用方法があります。
- コンテンツの発信
- 広告の活用
- ユーザー生成コンテンツ(UGC)
- インフルエンサーマーケティング
1つずつ解説します。
コンテンツの発信
普段は見られない商品の製造過程や、企業の日常風景、役立つ情報などを発信します。
投稿をきっかけにユーザーに興味をもってもらうことで、商品やサービスの認知を広げやすくなるでしょう。
広告の活用
広告を活用する際の一般的な流れは以下の通りです。
- ターゲット層を明確にし、適切な広告タイプを選択
- TikTokのトレンドや音楽を活用し、ユーザーの興味を引くクリエイティブな動画を制作
- 広告効果の測定・改善
ターゲットは年齢、性別、興味関心、地域などで詳細に絞り込みが可能です。
広告を届けたいユーザー層を絞り込むことで、より広告効果を高められます。
インプレッション数やクリック率などの数値は「Tik Tok広告マネージャー」で確認できます。
数値を確認し、効果の測定・改善に役立てましょう。
ユーザー生成コンテンツ(UGC)
ユーザー生成コンテンツ(User Generated Content)とは、一般のユーザーによって制作・共有されたコンテンツです。
ユーザーが自発的に作成した画像や動画などが該当します。
TikTokにおけるユーザー生成コンテンツの例はこちらです。
ハッシュタグチャレンジへの参加動画
デュエット・ステッチ機能を使ったコラボレーション動画
UGCはユーザーのリアルな声が反映されるため信頼性が高く、拡散効果も期待できます。
UGCを自社アカウントで紹介したり広告に活用したりすれば、エンゲージメント向上やコミュニティの活性化に繋がります。
インフルエンサーマーケティング
ユーザー参加型のキャンペーンを実施する際に、インフルエンサーにPRを依頼すれば、さらに拡散効果を高められます。
PR動画の企画・制作を任せることで、より自然で効果的なPRが可能です。
インフルエンサーを選定するにあたり、以下の項目を確認しましょう。
- フォロワーの属性、エンゲージメント率、過去のPR実績など
- 自社の商品やサービスと関連性
- 自社の価値観やイメージ
- コンテンツのクオリティやPR投稿の経験
- 過去の炎上歴など
フォロワー属性の分析に関しては、TikTokの「クリエイターマーケットプレイス」を活用するのがおすすめです。
TikTok「ビジネスアカウント」の開設方法
企業でTikTokを運用する場合は、「ビジネスアカウント」の開設がおすすめです。
広告運用や、アカウントのカテゴリー登録など、さらに運用効果を高める機能が使用できるようになります。
開設方法をまとめたので、こちらを参考にして開設を進めてみてくださいね。
手順① | 「マイページ」>「右上三本線」>「設定とプライバシー」>「アカウント」>「プロアカウントに切り替える」から設定 |
---|---|
手順② | アカウントの種類は「ビジネス」を選択 |
ビジネスアカウントでは分析ツールの利用が可能で、フォロワーの属性や動画のパフォーマンスが把握できます。
プロフィール欄を充実させてウェブサイトや他のSNSへのリンクを設置すれば、集客にもつなげられます。
TikTokマーケティングの目的とKPI指標
TikTokマーケティングの主な目的と、それぞれの注目すべき指標は以下の通りです。
- ターゲット層の拡大
- 自社サイトへの誘導
- 顧客とのコミュニケーション強化
- ブランドイメージ向上とプロモーション
こちらも1つずつ見ていきましょう。
ターゲット層の拡大
TikTokは若年層を中心としたユーザーを抱えるプラットフォームです。
TikTokを活用すれば、既存のターゲット層だけでなく将来的な顧客となる層へのリーチも期待できるため、長期的な視点での顧客基盤拡大に貢献できるでしょう。
「ターゲット層の拡大」を目的とした場合のKPI指標は下記のとおりです。
リーチ数
インプレッション数
フォロワー増加率
地域別フォロワー増加(地域性の高いビジネスの場合)
自社サイトへの誘導
魅力的な動画コンテンツはユーザーの興味を引きつけ、更なる情報収集や購買行動を促します。
TikTokでユーザーの関心を高め、自社サイトへ誘導することでコンバージョン率の向上も期待できます。
「自社サイトへの誘導」を目的とした場合のKPI指標は下記のとおりです。
リンククリック数
コンバージョン率
サイトの訪問者数
顧客との関係強化
TikTokは顧客との関係強化にも効果的です。
コメント機能やDM機能を活用してフォロワーからの質問や意見に積極的に対応すれば、より信頼関係を構築しやすくなるでしょう。
ユーザー参加型の企画などを通じてブランドへの愛着を深め、ファンを育てることも可能です。
「顧客との関係強化」を目的とした場合のKPI指標は下記のとおりです。
エンゲージメント数(いいね、コメント、シェア)
エンゲージメント率
平均視聴時間
ブランドイメージ向上とプロモーション
TikTokはブランドイメージの向上やプロモーションにも向いています。
好意的なブランドイメージの形成と購買意欲の促進のためには、広告色を抑えた自然な表現を意識すると良いでしょう。
「ブランドイメージ向上とプロモーション」を目的とした場合のKPI指標は下記のとおりです。
合計再生数
リーチ率
ブランドの言及率(UGCやハッシュタグ)
ポジティブなコメント数
近年は若年層に向けた採用活動でもTikTokの活用が注目されています。
企業文化や働く魅力を発信することで、従来の方法ではリーチしきれなかった層へのアプローチを可能にしています。
TikTokをSNSマーケティングに活用する際の注意点
TikTokをSNSマーケティングに活用する際の注意点を3つまとめました。
- 著作権侵害に配慮する
- 売上に直結しない可能性がある
- 炎上のリスクがある
著作権侵害に配慮する
TikTokは音楽や映像を自由に組み合わせて動画を作成できる点が魅力ですが、著作権侵害には十分な注意が必要です。
個人アカウントだと、ほとんどの楽曲が手続き無しで使用できますが、ビジネスアカウントは商用利用が可能な楽曲のみに絞られます。
他者の動画を無断で使用することも著作権侵害にあたるため、注意が必要です。
PR活動などに利用したい場合は、事前に投稿者の許可を得るようにしましょう。
売上に直結しない可能性がある
TikTokのコンテンツは、広告も含め強制視聴ではありません。
興味がなければ、ユーザーは視聴をスキップできます。
広告色の強い投稿は特にユーザーに敬遠されやすく、スルーされる可能性があります。
機会損失を防ぐために直接的な商品訴求は避け、間接的なアプローチを意識してみましょう。
下記は間接的なアプローチの例です。ぜひ参考にしてみてください。
ブランドの裏側や創業秘話
ユーザーの成功事例紹介
商品・サービスのハウツー動画
炎上のリスクがある
TikTokは拡散力が高い反面、炎上しやすいというリスクも抱えています。
不適切な発言や行動は、瞬く間に拡散され、企業のイメージを大きく損なう可能性があります。
特にジェンダー、人種、宗教などのデリケートな話題に言及が必要な場合は、細心の注意を払いましょう。
また過去の不祥事が何かのきっかけで掘り起こされ、炎上につながるケースもあります。
日頃からモラルを重視した情報発信を心掛けることが大切です。
対策として、炎上時の対応策をまとめたガイドラインを準備しておくのがおすすめです。
どのような状況で謝罪や訂正を行うべきかの基準を明確にして、コメント・DM対応のガイドラインを作成しましょう。

【企業SNSガイドライン】なぜ必要?作成手順や重要項目もわかりやすく解説
TikTokの運用効果を上げるポイント
以下ではTikTokの運用効果を上げるポイントを6つ紹介します。
トレンドを取り入れた動画を投稿する
投稿にトレンドを取り入れることで、ユーザーの興味を惹きやすくなります。
流行りの曲やダンス、ハッシュタグなどをこまめにチェックし、積極的に活用しましょう。
また、ユーザーは動画を「見る、飛ばす」の判断を瞬間的に行います。
素通りされないよう、冒頭で視聴者をしっかりと引き込む工夫をしましょう。
投稿頻度を増やす
TikTokのアルゴリズムは、アクティブなアカウントを優遇する傾向があるため、定期的な更新を心掛けましょう。
定期的な投稿はフォロワーとの関係性強化にも効果的です。
ただし、数を追い求めるだけではなく、視聴者に価値のある動画を提供することも大切です。
反応が多い時間帯に投稿する
TikTokのユーザーは、時間帯によってアクティブな層が異なります。
ターゲット層がアクティブな時間帯に投稿すれば、より多くのターゲットユーザーに動画を見てもらえるでしょう。
まずはTikTokの分析ツールを活用してフォロワーが最もアクティブな時間帯を把握し、投稿スケジュールを最適化するのが効果的です。
自社データが十分でない場合は、総務省の調査結果が参考になります。
調査によると、平日・休日とも、21~22時台にインターネット(SNSを含む)の利用率が高くなっています。
(参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>|令和6年6月総務省情報通信政策研究所)

saori
まずはこの時間帯にかけて投稿してみるのもひとつの手段ですね。
積極的にフォロワーとコミュニケーションを取る
SNSの本質はコミュニケーションにあります。フォロワーとの交流をとおしてエンゲージメント率の向上を図りましょう。
以下のようなコミュニケーション方法があります。
ライブ配信
ユーザー参加型のキャンペーン(例:ダンスチャレンジ、お題投稿)
徹底したコメント返信
アンケート機能やQ&A機能の活用
ほかのSNSも活用して共有・拡散する
Instagram、X(旧Twitter)、YouTubeなど、他のSNSを活用して動画を共有・拡散する方法もあります。
異なるプラットフォームで動画を共有すればより多くのユーザーにリーチし、TikTokアカウントへの流入を促進できます。
特にTikTokはYouTubeショートやInstagramリールなど、短尺動画コンテンツとの相性が良いです。
たとえばTikTokでバズった動画をYouTubeでより詳細に解説したり、Instagramでオフショットや舞台裏を公開したりすれば、多角的な視点からファンを惹きつけられます。
ただし、あからさまな外部への誘導はアルゴリズム上、マイナスになる恐れもありますので、避けるのが懸命です。
アルゴリズムを意識した投稿をする
TikTokのアルゴリズムは、ユーザーの興味関心に基づいて動画をレコメンドします。
そのため、アルゴリズムに最適化された動画を作成することが重要です。
アルゴリズムの種類には「加算式アルゴリズム」と「減算式アルゴリズム」の2つがあります。
種類 | 概要 | 重視される要素 |
---|---|---|
加算式アルゴリズム | 動画が高い評価を得るための要素を積み重ねて評価する仕組み | ・視聴維持率 ・視聴完了率 ・動画再生数 ・エンゲージメント率 |
減算式アルゴリズム | 動画の評価を下げる可能性のある要素を検知する仕組み | ・低い視聴維持率 ・低い視聴完了率 ・「興味ありません」ボタンのクリック数 ・報告(違反報告など) |
TikTokのアルゴリズムは時代の流れに合わせて進化するため、最新情報を追い続ける必要があります。
リソース等の問題で難しい場合は、SNSのプロに相談してみるのもおすすめです。
まとめ
Tik Tokマーケティングは、ブランド認知の向上からコンバージョン獲得まで、幅広い効果が期待できます。
コンテンツ制作は比較的簡単にできますが、より効果を上げるためには具体的な戦略を立てる必要があるでしょう。
効果的に運用するためには、専門家に正しいSNS運用の知識やノウハウを教えてもらうのも、有効な手段です。
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著者情報
NWS ライターチーム | saori
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