企業のSNS運用において、以下のような悩みを持った経験はないでしょうか?
- SNSの運用担当者がいない
- 企画やコンテンツ制作に時間や手間がかかる
- ユーザーとのコミュニケーション方法がわからない
- 炎上したときの対応方法がわからない
- 効果測定の方法がわからない
- フォロワー数が伸びない
- コンバージョンにつながらない
SNS運用担当者であれば、誰もが抱えたことのある悩みかもしれませんね。
では、なぜこのような悩みが発生するでしょうか?SNS運用の背景を理解すれば、解決法も自然と見えてくるはずです。
そこで今回は、SNS運用に関する悩みを解決する方法と、運用を成功に導くコツを解説します。本記事が少しでもSNS運用がうまくいくきっかけになれば幸いです。
目次
SNS担当者が悩みを抱える背景
SNS担当者が悩みを抱える背景について解説します。
社内で理解されにくい
SNSは、個人が気軽に情報を発信できるツールとして普及したため「誰でも簡単に運用できる」という誤解が生まれがちです。
企業がSNSを運用して成果を出すためには戦略立案やデータ分析などさまざまな知識・スキルが求められますが、経営層や上層部とのコミュニケーション不足により、SNS運用の知識やスキル習得の難しさが十分に伝わっていない場合が多いです。
また、SNS運用の目的や役割が社内で適切に共有されていないことが原因で、重要性が理解されていない可能性もあります。
運用スキル・知識の不足
先述のとおり、SNSの運用にはさまざまなスキル・知識が必要です。
さらにSNSの世界は常に変化しており、昨日までの成功事例が今日にも通用するとは限りません。トレンドの移り変わりが激しいため、常に最新の情報をキャッチアップして柔軟に対応していく必要があります。
またSNSの種類によってユーザー層や文化も異なり、それぞれに合わせた運用が求められます。
SNS担当者は成果を出すために情報収集や学習に時間を費やすこととなり、結果的に負担が増大します。
結果へのプレッシャー
SNSは即効性のある施策ではなく、積み重ねが重要です。
結果は運用方法に依存するため、担当者には適切な戦略の選択が求められます。
しかし、どの戦略が最適かは判断が難しいため、プレッシャーを感じる担当者も多いでしょう。また、SNS運用が「うまくいっているかどうか」の判断は簡単ではありません。
明確な数値として成果が表れるとは限らず、これも担当者の負担となる要因の一つです。
【企業のSNS運用】よくある悩みと解決方法
企業のSNS運用のよくある悩み別の解決方法を解説します。該当する課題をお持ちの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
- SNSの運用担当者がいない
- 企画やコンテンツ制作に時間や手間がかかる
- ユーザーとのコミュニケーション方法がわからない
- 炎上したときの対応方法がわからない
- 効果測定の方法がわからない
- フォロワー数が伸びない
- コンバージョンにつながらない
【悩み①】SNSの運用担当者がいない
SNS運用には、専門的な知識やスキルが必要となるため、担当者の育成や確保が重要です。しかし中小企業などでは、リソース不足から専任の担当者を置くことが難しい場合があります。
他の業務を兼任している場合は業務負担が大きくなり、コンテンツの質の維持やリスク管理がおろそかになる可能性もあります。
【解決方法①】人員の補充を依頼する
根本的な解決策は、SNS運用を担当する人員を増やすことです。業務状況を説明し、専門人材の採用や他部署からの応援を依頼できないか打診してみましょう。
人員補充を依頼する際には、以下の点を明確に伝えましょう。
人員不足によってどのような業務に支障が出ているのか
具体的な業務量や必要なスキルセット
SNSが企業のマーケティング戦略において果たす役割
SNS運用によって期待できる効果
これらの情報を具体的に伝えることで、上層部も人員補充の必要性を理解しやすくなります。
【解決方法②】外注を検討する
人員補充が難しい場合は、外部の専門業者への委託も有効な選択肢です。SNS運用業務の中で負担が大きい部分だけ外部へ委託することもできます。
外注を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
実績や専門性、料金などの比較検討
自社の業界やターゲット層に精通しているか
コミュニケーションが円滑に行えるか
投稿作成、アカウント管理、効果測定など、どこまで委託するのか
自社で担当する業務との連携方法
外注によって専門的な知識やノウハウを活用した効率的なSNS運用が可能です。スムーズに運用するためには外注先との連携は不可欠なため、密なコミュニケーションを心がけましょう。
【悩み②】企画やコンテンツ制作に時間や手間がかかる
SNSの企画やコンテンツ制作の負担は、多くの企業が直面している課題です。
質の高いコンテンツを継続的に制作するためには、企画立案、撮影・編集、ライティングなど、多くの工程が必要となります。
またSNSのトレンドは常に変化するため、タイムリーな情報を発信するには、学び続けなくてはいけません。
最新の情報を学ぶ時間・手間だけでなく、戦略を見直す・機能を使いこなすためのノウハウを学ぶ負荷もかかります。
【解決方法①】ツールを導入する
解決方法のひとつとして、業務を効率化できる自動化ツールの導入があります。
投稿スケジュールの管理、投稿文の作成、効果測定などを行うツールもあるので、それらを活用すれば担当者の負担を軽減し、より戦略的な業務に集中できます。
また自動化ツールの活用は投稿頻度を一定に保ち、アカウントの活性化にもつながります。
ただしツールはあくまで補助的な立ち位置にあります。コンテンツの質やユーザーとのコミュニケーションは、担当者が主体的に行うように意識しましょう。
【解決方法②】生成AIなどを活用して効率化を図る
投稿アイデアの壁打ちや投稿スケジュールの作成に生成AIを活用するのも良いでしょう。
コンテンツ案を最初から考えるより、時間の短縮になります。
また投稿のテンプレート化も作業時間短縮や一貫性のあるブランドイメージの維持に役立つでしょう。
株式会社NWSでは「生成AIをSNS運用に活用する方法」を学ぶ研修プランを用意しています。
詳細はこちらのリンクよりご確認いただけます。
【悩み③】ユーザーとのコミュニケーション方法がわからない
SNSは、ユーザーとの双方向コミュニケーションができるツールです。しかし一方的な情報発信に終始してしまうと、ユーザーは興味を失い、離れてしまいます。
ユーザーとのコミュニケーションを活性化するためには、コメントやDMへの返信などのアクションが欠かせません。
しかし「どのように返信すべきか分からない」「そもそも返信する人的リソースがない」などの理由でコミュニケーションが手薄になることもあります。
【解決方法】コミュニケーションの方向性を決める
コミュニケーションの方向性を明確にすることで一貫性のある情報発信を行い、ユーザーとの信頼関係を築けるようになります。
具体的には、以下のような方向性を決めておくと良いでしょう。
返信時のトーン&マナー
コメントをもらった場合の対応(返信する/いいねをするなど)
批判的なコメントへの対応
緊急性の高い問い合わせへの対応 など
これらの内容を事前に決めておけば、担当者が複数いる場合でも一貫性のある対応が可能です。返信の内容に迷う時間も削減できて、より迅速な対応ができるでしょう。
【悩み④】炎上したときの対応方法がわからない
SNSは情報拡散力が高い反面、炎上リスクも伴います。炎上は企業のイメージを大きく損なう可能性があるため、適切な対応が求められます。
しかし炎上時の対応は、状況によって異なるため、かなり難易度が高いです。
運用担当者は、常に炎上リスクを意識し、慎重な情報発信を心がけなくてはいけません。
【解決方法①】炎上のガイドラインを作成する
SNS運用において、炎上は避けられないリスクのひとつです。
炎上時の対応を誤ると、さらに炎上が広がる可能性もあるため、事前にガイドラインを作成しておきましょう。
ガイドラインには以下のような内容を記載しておくのがおすすめです。
炎上時のコメント、DMへの対応手順
法的措置を検討するケース
関係各所(広報、法務、経営層など)との連携方法
再発防止策
担当者の役割分担
また定期的にガイドラインの見直しを行い、最新の状況に合わせて更新することも重要です。

【企業SNSガイドライン】なぜ必要?作成手順や重要項目もわかりやすく解説
【解決方法②】複数人で運用する
複数人で投稿内容を管理することも、SNS上のトラブル回避に効果的な手法です。
単独で運用すると、意見の偏りや判断ミスが生じるリスクがあります。
複数人で管理すれば投稿内容のチェック体制が整い、トラブルやミスを防ぎやすいです。
また多様な視点から意見を出し合うことで、バランスの取れたコンテンツ提供もできるでしょう。
もし手が足りず1人~少数で運用している場合は、外注という方法もあるので検討してみてください。
【悩み⑤】効果測定の方法がわからない
効果測定ができないと、運用している意味があるのか検証ができません。
効果が検証できないと、担当者は成果報告に苦労することになります。業務の意義を見出せずモチベーションの維持が難しくなる可能性もあるでしょう。
またSNSの効果測定は単にフォロワー数やいいね数を見るだけでなく、多岐にわたる指標を分析し、戦略に活かす必要があります。
分析の方法や戦略の立て方が分からずに苦労している運用担当者も多いようです。
【解決方法】運用目的と目標を見直す
運用の目的が明確であれば、目標の項目も限られてきます。
たとえば目的が「認知の拡大」であれば、以下のような項目を用いるのが効果的です。
フォロワー数
インプレッション数
エンゲージメント数
ハッシュタグの利用数
運用の流れは、以下を参考にしてみてください。
- 自社の現状・課題を把握する
- 目標数値を設定し、達成のための施策を練る
- 施策を実行し、定期的に数値を確認、分析する
- 改善策を練り、実行する
【悩み⑥】フォロワー数が伸びない
フォロワー数はアカウントの影響力や信頼性を示す指標となるため、企業にとって重要な意味をもちます。
しかしフォロワー数がなかなか伸びずに悩んでいる担当者も非常に多いのが現状です。
誰に情報を届けたいのか、ターゲット層が明確になっていない場合、コンテンツが響かずフォロワーが増えにくい傾向があります。
また質の低いコンテンツや、アカウントのテーマと一貫性のない投稿は、フォロワーの獲得につながりにくいです。
【解決方法】ターゲット層を分析し直す
ターゲット層のニーズや興味関心を把握することで、より効果的なコンテンツを制作し、ユーザーとのエンゲージメントを高められます。
たとえばターゲットが好む色合いやテイストをリサーチした上でコンテンツを作成すると、興味をもってもらいやすいです。
また定期的にターゲット層の分析を行い、変化に合わせて戦略を見直す必要があります。
SNSの分析ツールを活用すればターゲット層の属性や行動を把握し、より詳細な分析を行えるので活用してみてくださいね。
【悩み⑦】コンバージョンにつながらない
SNSは主に認知度向上やブランディングに効果を発揮するマーケティング手法です。
そのため売上や顧客獲得に直結しにくく、社内から運用の意義や役割が理解されないケースも多いです。
【解決方法①】SNSの役割を社内で共有する
SNS運用は売上や顧客獲得といった直接的な成果につながりにくい場合があることを説明しましょう。
その上でSNSを企業活動にどのように活用するか示し、理解を求めることが大切です。
たとえばInstagramを運用している場合は「画像を見て商品に興味を持ってもらうことを目的に運用している」などの説明が考えられます。
SNSをどのように活用するのか共有することで、コンバージョンを指標とすべきかが社内で検討しやすくなるでしょう。
【解決方法②】ユーザーに向けた導線を作る
SNSをうまく活用できれば、自社サイトやECサイトへの流入を促進できます。
たとえばプロフィール欄にWebサイトのURLを記載したり、投稿に商品ページのリンクを貼ったりすれば、興味を持ったユーザーをスムーズに誘導できます。
またSNS広告を活用して、ターゲット層に合わせたランディングページに誘導することも有効です。
導線を作るだけでなく、ランディングページのコンテンツやデザインをターゲットに合わせて最適化することで、コンバージョン獲得を目指せるでしょう。
企業のSNS運用を成功させるコツ
ここでは、企業のSNS運用を成功させるコツを5つご紹介します。
先ほどご紹介した解決方法に加えて成功のコツを実践すれば、さらにSNS運用の効果を実感しやすくなるでしょう。
SNS運用の目的とターゲットを明確にする
まずはSNS運用の目的を明確にすることが大切です。目的の例は以下の通りです。
認知の拡大
ブランディング
顧客との関係性強化
自社サイトへの誘導
販売促進 など
ターゲットを絞り込むことでより効果的なコンテンツを作成・発信できます。
ターゲットは以下の項目を参考にして絞り込んでみてください。
年齢
性別
居住地
職業
趣味・嗜好
ライフスタイル など
商品・サービスに適したSNSを選ぶ
SNSには、それぞれ異なる特徴とユーザー層が存在するため、自社の商品・サービスに適したプラットフォームの選定が必要です。
たとえば視覚的に訴求力の高い商品であればInstagram、情報発信がメインであればX(旧Twitter)が候補として考えられるでしょう。
またターゲット層が利用しているSNSを選ぶことも重要です。
複数のSNSを運用する場合は、それぞれの特徴に合わせてコンテンツを使い分けることでより効果的な運用が可能となります。

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ユーザーニーズを踏まえた投稿を意識する
SNSは企業とユーザーが相互にコミュニケーションを図る場です。一方的な情報発信ではなく、ユーザーの関心や疑問に寄り添った対話を心がけることが運用成功のカギとなります。
ユーザーがどのような情報を求めているのか、どのようなコンテンツに興味を示すのかを把握し、それに応じた情報発信を行いましょう。
ユーザーからのコメントや質問には積極的に返信するなど、エンゲージメントを高めるための工夫も大切です。
分析・改善を繰り返す
SNS運用成功のコツは、繰り返し分析・改善を行うことです。
以下では、各SNSの分析ツールで分かる指標の一例をご紹介します。
これらのデータを分析して効果的な投稿内容や時間帯を把握すれば、より効率的な運用ができます。
インプレッション数
リーチ数
エンゲージメント数
クリック数
動画再生数
ハッシュタグの効果
アクティブユーザー数
また定期的に競合アカウントを分析するのもおすすめです。自社アカウントの改善点を見つけやすくなるでしょう。
継続的に運用する
繰り返しになりますが、SNS運用は短期間で効果が出るものではありません。継続的に運用することで徐々にフォロワーが増え、ブランドイメージが定着していきます。
また定期的にコンテンツを投稿すれば、ユーザーに忘れられることなく、存在をアピールし続けることができます。
そのためにも長期的な戦略を練って、根気強く運用を続けることが重要です。
しかしクオリティや投稿頻度を維持するためには、企業によってはリソース的に難しい場合もあります。こういった場合は外注も視野に入れると良いでしょう。
まとめ
SNS運用を適切に行うことで、ブランディングや認知度の向上に加え、実際のコンバージョン獲得など直接的な成果が期待できます。
今回紹介した成功のコツなども踏まえて地道に運用を継続してみましょう。
SNS運用のノウハウがなく、うまく成果を出せるか不安な場合は、SNS運用のプロに相談してみるのもひとつの手段です。
より安心して運用するために、専門家に正しいSNS運用の知識やノウハウを教えてもらえば、悩み解決の近道になるかもしれません。
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著者情報
NWS ライターチーム | saori