「Instagramを企業で運用し始めたけど、どのくらい投稿すれば良いの?」
「他の業務もある中で、効果的な運用ができるか不安…」
このようなマーケティング担当者の悩みは珍しくないでしょう。
本記事では、限られたリソースのなかでも成果を出せるInstagramの適切な投稿頻度と、無理なく継続するための具体的な方法をご紹介します。
SNSマーケティングの経験が浅い方でも実践できる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
Instagram投稿頻度を考える前に
Instagramでは投稿タイプによって最適な更新頻度が大きく異なります。
効果的な運用のために、まずは「フィード」「ストーリーズ」「リール」という3つの主要な投稿タイプの特徴と役割を押さえておきましょう。
それぞれの特性を理解することで、後ほど解説する投稿頻度の考え方がより明確になります。
フィードはブランドの看板
フィードでは、最大20枚まで画像・動画を織り交ぜて投稿できます。
リールやストーリーズと異なり、ユーザーのペースでコンテンツをスワイプして閲覧できるため、詳細な説明や、じっくりと読んでほしい情報の発信に適しています。
また、投稿のデザインや色調を統一することで、プロフィール画面でアカウントの世界観を効果的に表現できます。こうしたブランドの印象づけにより、タイムライン上でも投稿が認識されやすくなるでしょう。
ストーリーズは日常のコミュニケーション
24時間で消える「ストーリーズ」は、より気軽にさまざまな情報を共有できます。リアルタイム感や親しみやすさを演出するのに最適で、フォロワーとの距離を縮める役割を果たします。
ストーリーズの特徴は「今」を伝えられることです。展示会の準備風景、製品開発の舞台裏、社内行事など、カジュアルな内容でも気軽に投稿できます。
アンケート、質問ボックス、投票などのインタラクティブな機能を使えば、フォロワーとの双方向コミュニケーションも可能になります。
リールは新規ユーザー獲得の突破口
「リール」は、15秒〜最大90秒の短い動画で、製品のデモンストレーション、使用方法のチュートリアル、社員インタビューなど、動きのあるコンテンツを作成できます。
アルゴリズムの特性上、フォロワー以外にも「発見」タブなどで表示されやすく、アカウントの認知拡大に効果的です。
フォロワー数が少ない企業アカウントでも、質の高いリールで一気に認知度を高めるチャンスがあります。
Instagramでおすすめされる投稿頻度の目安とは?
ここでは、先ほど解説した3つの投稿タイプごとに、効果を最大化しつつも継続可能な投稿頻度の目安をご紹介します。
フィード投稿は「週2〜3回」が基本ライン
フィードの投稿頻度は、週2〜3回が一般的とされています。この頻度であれば、ユーザーのタイムラインに定期的に表示される機会を確保しながらも、コンテンツの質を維持できるバランスが取れます。
BtoB企業の場合、製品情報や業界トレンド、社内の取り組みなど、価値ある情報を定期的に発信することで、フォロワーの記憶に留まりやすくなります。
BtoC企業では、商品の使用シーン、ライフスタイル提案、季節のトピックスなどを織り交ぜることで、フォロワーとの関係構築がスムーズになります。
一方で、毎日複数投稿するような頻度は、特に情報量が限られたビジネスでは内容が薄くなりがちで、フォロー解除を招くリスクもあります。
週2〜3回の頻度なら、他の業務や日常生活と並行しながらも質の高い投稿の維持が行いやすいでしょう。
ストーリーズは「できれば毎日」
ストーリーズは24時間で投稿が消えるため、フォロワーとの継続的な接点を維持するには毎日投稿することが理想的です。
展示会の準備風景、社内の日常、製品開発の進捗など、完成度を求めすぎない気軽なコンテンツで大丈夫です。
毎日投稿することで、フォロワーの日常に自然と溶け込み、ブランドの存在感を維持できます。
さらに、Instagram独自のアルゴリズムでも、定期的に投稿・閲覧されるアカウントが優先的に表示されやすくなるため、毎日の投稿がリーチ拡大に繋がります。
リールは「週に2回以上」で新規獲得に強い
リールは、週に2回以上投稿するのがおすすめです。
フォロワー以外のユーザーにも「発見」タブなどを通じて表示される可能性が高いため、新規フォロワー獲得の強力なツールとなります。
製品のメリットを15秒で解説する動画、社員の簡単なインタビュー、業務の裏側など、短い動画で視覚的なインパクトを与えられます。BtoB企業でも、製品の使用感や技術的な特徴を視覚的に伝えられる点が魅力です。
動画編集に不慣れでも、Instagramの編集機能やテンプレートを活用すれば、制作の負担を軽減できるでしょう。
バランスよく組み合わせるのがポイント
フィード、ストーリーズ、リールを戦略的に組み合わせることで、投稿頻度の負担を分散しながら最大の効果を得られます。
たとえば、フィードで週2回の情報発信、ストーリーズで平日の日常更新、リールで週2回の特集コンテンツという組み合わせが考えられます。
投稿頻度は、各投稿タイプの特性を理解した上で、企業のリソースに合わせて設計することが大切です。
まずは自社の人員体制やコンテンツの充実度に合わせた現実的な頻度から始め、徐々に調整していくアプローチが効果的といえます。
自社に合ったInstagram投稿頻度を決める方法
ここでは、あなたの会社に最適な投稿ペースを見つけるための4つの視点をご紹介します
社内のリソースを整理しよう
効果的なInstagram運用には、コンテンツ制作のための時間と人手が必要です。
まずは、下記を参考に「現実的に確保できるリソース」を把握しましょう。
週に何時間Instagram運用に充てられるか
写真や動画の撮影は誰が担当できるのか
デザインスキルを持った社員はいるか
時間や工数を把握することで、実現可能な投稿計画が立てやすくなります。
無理な計画を立てて続かなくなるよりも、少なくても継続できる頻度を設定することが長期的な成功につながります。
競合の投稿頻度をチェックする
同業他社や業界内の先進企業のInstagramアカウントを調査することも、重要なヒントになります。
投稿頻度に加え、投稿に対するエンゲージメント(いいね、コメント数)にも注目すると良いでしょう。
たとえば、投稿頻度が高くても反応が少ない場合は、量を追求するあまり質が低下している可能性があります。逆に投稿は少なくても高いエンゲージメントを得ている場合は、1投稿あたりの品質や投稿タイミングが最適化されている等の仮説を立てることができます。
競合他社のフォロワー数や体制が自社と大きく異なる場合は、そのまま真似するのではなく、自社の状況に合わせた調整が必要です。業界の標準的な頻度を知ることで、自社の投稿頻度設計の参考にしましょう。
フォロワーの動きをデータで把握する
Instagramのインサイト機能を活用すれば、フォロワーの行動パターンを詳細に分析できます。
特に「フォロワーが最もアクティブな時間帯」や「曜日別のアクティブ率」などのデータは、投稿タイミングの最適化に役立ちます。
たとえば、フォロワーが平日の昼休み時間にアクティブなら、その時間帯に投稿することでリーチを高められる可能性があります。
(参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書<概要>|令和6年6月総務省情報通信政策研究所)
過去の投稿のエンゲージメントデータを比較分析することで、「どんな内容」が「どの時間帯」に投稿すると反応が良いか、といった傾向も把握できます。
データに基づいた投稿頻度の設計は、少ないリソースでも効果を最大化する鍵となります。
商品やサービスの特性を考慮する
自社の商品やサービスの特性も、投稿頻度を決める重要な要素です。
たとえば、展示会やセミナーなど季節的なイベントが多い場合は、イベント期間内と期間外で投稿頻度にメリハリをつけるのも良いでしょう。
イベントの前後は投稿を増やして盛り上がりを演出し、オフシーズンはやや頻度を落として、イベントの準備風景など、舞台裏を中心とした投稿に切り替えるなどの方法が考えられます。
製品そのものの投稿だけでなく、開発の裏側や社員の活動、業界トレンドの解説など、コンテンツの幅を広げることで、一定の投稿頻度を維持しやすくなります。
日々の商品やメニュー紹介に加え、お客様の声や使用シーン、スタッフのおすすめなど多角的なコンテンツを組み合わせることで、継続的な投稿サイクルを作りやすくなります。
自社の事業特性や顧客の関心事に合わせて、「何を」「どのタイミングで」発信するかを考慮し、年間を通じた投稿頻度計画を立てましょう。
Instagram投稿頻度を維持するためには
投稿頻度は決まったものの、この先ずっと続けていけるか不安に思う方もいるのではないでしょうか。
しかし効率化のコツを知れば、限られた時間でも質の高い投稿を継続できます。
ここでは、忙しいマーケティング担当者でも実践できる、Instagram運用の負担を減らすテクニックをご紹介します。
コンテンツカレンダーを活用する
コンテンツカレンダーを作成し、月間・週間単位で「いつ」「何を」投稿するかを事前に決めておきましょう。
Excelやスプレッドシートで簡単に作成でき、社内イベントや商品リリース、キャンペーンなどを織り込んだ投稿スケジュールを立てられます。
計画があれば突発的な対応が減り、余裕を持ってコンテンツを準備できるため、クオリティも向上します。
バッチ作業でまとめて制作
効率化の大きなポイントは同じ種類の作業をまとめて行うことです。
たとえば月に1回半日時間を確保して、複数の投稿用写真を一気に撮影したり、デザインテンプレートをまとめて作成したりする方法が効果的です。
撮影機材のセッティングや編集ソフトの立ち上げといった準備時間を削減でき、作業効率が格段に上がります。
同じテイストの写真を複数枚撮影すれば、ブランドイメージの統一感も生まれます。写真の背景や小物を何パターンか用意しておくだけでも、バリエーション豊かな素材が短時間で用意できます。

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予約投稿ツールを活用する
Instagramは投稿を事前に準備して、自動投稿することが可能です。
最適な時間帯(多くの場合、ランチタイムや通勤時間帯)に投稿するためにわざわざその時間に作業する必要がなく、休日前にまとめて次週分の投稿をセットしておけば、平日の負担が大幅に軽減されます。
特に一人で運用している担当者には、時間の自由度を高める大きな武器となるでしょう。
AIツールでキャプション・画像作成を支援
生成AIを活用すれば、商品説明文やキャプションの下書き作成を効率化できます。
製品の特徴を箇条書きで入力するだけで、魅力的な文章に仕上げてくれるため、文章作成が苦手な方にもおすすめです。
また、画像生成や編集ツールを使えば、プロ級のデザインや画像編集も簡単に行えます。
ただし、AIが生成したコンテンツは必ず人の目でチェックし、自社の方針や表現に合致しているか確認することが大切です。
社内で支える運用体制を整える
Instagram運用を一人で抱え込まず、社内のさまざまなリソースを活用する仕組みを作りましょう。
「今週のInstagram担当」を当番制にしたり、社内で「インスタ映えする瞬間」を見つけたら共有フォルダに入れてもらう仕組みを作りたりすることで、コンテンツの多様性が高まるだけでなく、担当者の負担も大幅に軽減されます。
アルバイトやインターンを活用するのも一案です。運用ルールやガイドラインを明確にして、品質を保ちながら多くの人が携われる体制を整えましょう。

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Instagram投稿頻度を無理なく続けるコツ
Instagram運用で最も難しいのは、実は「継続すること」かもしれません。
多くの企業アカウントは、最初こそ意欲的にスタートしますが、次第に投稿頻度が下がり、気づけば「更新が止まってしまった」というケースも少なくありません。
特に日々の業務に追われる担当者にとって、Instagramの更新はつい「後回し」にされがちです。
そこで以下では、投稿頻度を安定させ、長期的に継続するためのモチベーション維持の工夫について解説します。
KPIを設定して成果を実感
Instagram運用を継続するためには、具体的な目標設定と成果の可視化が効果的です。
「週に2回投稿する」といった活動指標だけでなく、「月間いいね数100件達成」「フォロワー増加率5%」など、成果に関するKPIも設定しましょう。
目標達成のために頑張ることで投稿へのモチベーションが高まり、数字の変化を実感できれば「やりがい」につながります。
BtoB企業であれば、「社員のInstagram認知度向上」といった社内指標や「サイト流入数の増加」など、ビジネスに直結する指標を加えることも重要です。
一方、BtoC企業では「商品の問い合わせ件数」「実店舗への来店者数」「コメント率の向上」など、顧客との関係構築や売上に関連する指標が有効です。
飲食店なら「インスタ見た」と来店される件数や、EC事業なら「インスタ限定クーポン」の利用率など、具体的な成果につながるKPIを設定しましょう。
目標はすぐに達成できる短期的なものと、半年〜1年かけて目指す中期的なものを組み合わせると効果的です。どのようなアカウントでも、少しずつ成長を感じられる指標設定が継続の鍵となります。
テンプレートや曜日テーマで投稿を簡単に
「何を投稿しよう」と毎回一から考えることは、大きな負担になります。
これを軽減するには、曜日ごとのテーマ設定が効果的です。
たとえば企業アカウントなら「月曜は製品紹介」「水曜は社員インタビュー」「金曜は業界トレンド解説」といった具合にテーマを固定しておけば、投稿内容を考える時間が大幅に削減できます。
BtoCアカウントでも「月曜は新商品情報」「水曜はお客様の声の紹介」「週末は限定セール情報」などテーマを設定すると計画が立てやすくなります。
また、デザインテンプレートをいくつか用意しておくと、情報を入れ替えるだけで投稿が完成するため効率的です。
定型化できるコンテンツを見つけておくと長期的な運用がスムーズになります。
コンテンツをリサイクルする
すべての投稿を一から作る必要はありません。既存コンテンツの「リサイクル」も有効な戦略です。
過去の人気投稿を再投稿したり、一つの製品写真を複数のアングルや切り抜きで使い回したりすることで、コンテンツ制作の負担を減らせます。
また、展示会やイベントの写真は、当日の様子、参加者の声、裏側エピソードなど、複数の切り口で活用できます。
プレスリリースや社内報の内容をInstagram用に簡略化するなど、他のマーケティング素材からの転用も効果的です。こうしたコンテンツの多角的活用は、限られたリソースでも投稿頻度を維持する強い味方になります。
Instagramの投稿頻度だけに頼らない運用術
Instagram運用で投稿頻度は重要な要素ですが、それだけに注目していては本当の成果は得られません。
適切な投稿頻度を守りながらも、以下の要点を意識することで、効率的にアカウントを成長させ、少ない投稿頻度でも大きな効果を生み出せるようになります。
アルゴリズムの仕組みを理解する
Instagramのアルゴリズムはコンテンツの質やエンゲージメントを重視しています。
特に「保存率」は重要な指標で、ユーザーに「後で見返したい」と思わせる価値ある投稿が高く評価されます。
また、コメントの数や質もアルゴリズム評価に大きく影響します。
BtoB企業は専門的な知識や実用的な情報を含む投稿を心がけることで、週2〜3回程度の投稿頻度でも効果的にリーチを拡大できます。
一方、BtoCブランドでは、魅力的なビジュアルやライフスタイル提案、トレンド情報など保存したくなるコンテンツが効果的です。そのなかでも、実用的な情報は保存率が高まりやすい傾向があります。
コンテンツ設計にこだわる
Instagram投稿頻度を維持するだけでなく、投稿の質とターゲット設定も成功の鍵を握ります。
「誰に」「何を」「どのように」伝えるかを明確にし、ターゲットペルソナの課題や関心事に応える内容を提供しましょう。
BtoB企業であれば、製品の機能だけでなく、導入事例や解決できる課題など多角的な切り口が効果的です。
BtoCビジネスでは、商品の魅力だけでなく「使用シーン」「お客様の声」「ライフスタイル提案」など、感情に訴えかける内容も重要です。
また、色使い、フォント、レイアウトの統一など視覚的な一貫性を持たせることで、投稿頻度が少なくても強い印象を残せます。
投稿頻度を守ることにこだわり過ぎず、価値ある情報発信を優先する姿勢が重要です。
コミュニティ形成を意識する
フォロワーとの関係構築も重要です。
コメントやDMへの丁寧な返信、ユーザー投稿のシェア、質問への回答など、双方向のコミュニケーションを可能な限り心がけましょう。
積極的な交流により、「企業アカウント」から「信頼できるパートナー」へと関係が深まります。
特にBtoB企業の場合、専門性の高いコミュニティを形成することで、投稿頻度が少なくてもファンが情報を拡散してくれるようになります。
BtoCブランドでは、ハッシュタグキャンペーンやユーザー参加型企画を実施することで、コミュニティの活性化につながります。
週に数回の投稿頻度でも、コミュニケーションを重ねることで、継続的なエンゲージメントを生み出すことができるでしょう。
分析と改善を習慣にする
Instagram投稿頻度を維持しながら、定期的なデータ分析と改善が長期的な成功につながります。
最低でも月に1回はインサイト機能を活用し、「どんな内容の投稿が反応を得たか」「どの時間帯がリーチしやすいか」などのパターンを見つけましょう。
たとえば、特定の曜日や時間帯の投稿が反応が良い傾向があれば、限られた投稿頻度の中でその時間帯を優先するなど、効率的な運用につなげられます。
フォロワー属性の変化やコメント内容の分析も行い、PDCAサイクルを回すことで、投稿頻度が少なくても最大限の効果を引き出せるようになります。
まとめ|自社に最適なInstagramの投稿頻度を見つけよう!
Instagram運用において「どのくらいの頻度で投稿すべきか?」は、多くの方が最初に直面する疑問です。
本記事では、フィード・ストーリーズ・リールそれぞれの役割や、理想的な投稿頻度の目安、そして無理なく継続するための工夫を解説しました。
まずは、自社のリソースに合った現実的な頻度からスタートし、PDCAを回しながら改善していくことが大切です。
投稿頻度を最適化することで、フォロワーとの関係性を深め、着実な成果につながっていきます。
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NWS ライターチーム | manami
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