「Instagramをビジネスに活用したい!」
「でも、どんな手法があるのか分からない…」
InstagramなどのSNSは、今や企業のマーケティング活動に欠かせないツールとなっています。しかし、ただ写真や動画を投稿するだけでは、なかなかうまくいかないこともあります。
「投稿は続けているのに、なぜ伸びないんだろう?」と悩む方もいるのではないでしょうか。
本記事では、Instagramマーケティングの主な手法から注意点、成功のコツまでわかりやすく解説します。
「Instagramをビジネスに活かしたい!」と思っている方は、ぜひ最後まで読んで実践してみてください。
目次
Instagramマーケティングとは?
InstagramマーケティングとはInstagramの機能を活用して、商品・サービスの認知度向上、ブランディング、販売促進などを行うWebマーケティングの手法の一つです。
運用目的には下記のようなものがあります。
認知度の向上 | 商品やサービスを知ってもらう |
---|---|
コミュニケーション強化 | 顧客との信頼関係を築く |
サイトへの誘導、販売促進 | Webサイトへの誘導し、売上や問い合わせにつなげる |
Instagramマーケティングの主な手法
Instagramは、写真や動画などのビジュアルコンテンツを中心としたSNSプラットフォームです。
写真や動画で商品やサービスの情報を効果的に伝えられる点や、多様なコミュニケーション形式が支持され、企業でも多く活用されています。
Instagramマーケティングの主な手法としては下記のようなものがあります。
アカウント運用
Instagramのアカウント運用は、フォロワーとの関係を築きながらブランドの認知度やエンゲージメントを高める手法です。
具体的な内容は下記のとおりです。
アカウントの戦略設計 | 投稿頻度、時間帯などを意識して戦略を立てる |
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投稿の企画・作成 | 魅力的なコンテンツで興味を引く |
ユーザーとのコミュニケーション | コメント・DM対応、ストーリーでの交流 |
ハッシュタグ戦略 | 検索流入を狙い、発見されやすくする |
効果分析 | 投稿のパフォーマンスを定期的に分析し、改善を行う |
Instagram広告
Instagramの広告形態は、6種類です。 それぞれの特徴を下記にまとめました。
写真広告 | 画像やテキストで視覚的にアプローチする基本的な広告 |
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動画広告 | 動画やテキストで構成される広告。画像のみよりも商品の特徴や細部まで伝わりやすい |
カルーセル広告 | 複数の写真や動画でアピールする広告。フィード(最大10点)とストーリーズ(最大3点)に表示される |
コレクション広告 | 自社の商品をカタログのような形式で表示させる広告。販売促進に役立てられる |
ストーリーズ広告 | 24時間以内に消える「ストーリーズ」上に掲載する広告 |
リール広告 | 15秒から90秒程度の短い縦長の動画広告 |
発見タブ広告 | 検索用の発見タブに表示される広告。ユーザーの興味・関心に応じて表示される |
UGC(ユーザー生成コンテンツ)活用
UGCとは「User Generated Content」の略で、自社ではなく、消費者であるユーザーが投稿するコンテンツを指します。
ユーザーは企業発信の宣伝情報よりも、第三者の体験談やレビューを重視する傾向があるため、UGCはブランドへの信頼度向上にもつながります。
例として下記のような投稿があげられます。
服のブランドをタグ付けしてコーディネートを投稿
訪れたカフェの写真と一緒に感想を投稿
新作コスメのレビューを投稿
ユーザーの承諾を得れば、投稿内容を自社アカウントでリポスト(再投稿)することも可能です。
リポストで、より広範なユーザーへの情報拡散が可能となりエンゲージメントの強化も期待できます。
インフルエンサーマーケティング
Instagram上で影響力のある「インフルエンサー」に商品やサービスのPRを依頼する、SNSマーケティングの手法です。
インフルエンサーが自身の体験をもとに商品を紹介することで広告感が薄れ、フォロワーにとって、より参考にしやすい情報になります。
インフルエンサーとフォロワーの関係性が強ければ強いほど発信内容は大きな説得力を持ち、購買行動にもつながりやすくなります。
そのため選定の際には、フォロワー数だけでなくエンゲージメント率にも注目すると良いでしょう。
またインフルエンサーは影響力が大きいため、誤解や情報不足によるトラブルの発生リスクも比例して高まります。
起用時は次のようなポイントに注意しましょう。
起用を検討しているインフルエンサーの事前調査を行う
商品・サービスの説明を十分に行う
ステルスマーケティングでないことを明示する
ステルスマーケティングでないことを明示する
⇒ 「#PR」「#プロモーション」などのハッシュタグをつけてもらう
⇒ タイアップ投稿の設定を行う
Instagramマーケティングのメリット
令和5年度の総務省の調査によると、Instagramの国内利用率は約56.1%となっており、LINE、YouTubeに次いで3番目に利用者数が多いSNSプラットフォームです。
特に10〜30代の若者層を中心に利用率が高くなっており、コミュニケーションの場としてだけでなく、商品・サービス選びのための情報収集ツールとしても活用されています。
このように、多くのユーザーが日常的に利用するInstagramをマーケティングに活用することで、ブランドの認知度向上や売上アップにつながる可能性があります。
ここからはInstagramマーケティングの代表的なメリットを3つご紹介します。
(出典:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 | 総務省)
視覚的に魅力を伝えられる
写真や動画を活用することで、商品やサービスの魅力をより効果的に伝えることが可能です。
視覚情報は記憶に残りやすいため、カラーや世界観の統一がブランドイメージの確立にも役立ちます。
Instagramは、写真や動画をより効果的に魅せる「フィルター」や「加工機能」が充実しており、初心者でも比較的簡単にSNS上での見せ方を改善できます。
写真と動画は、商材や伝えたい内容によって使い分けましょう。動画は、コスメやアパレルなど、商品の質感や使用感が重要視される商材の魅力を伝えるのに特に効果的です。
ただ魅力的な写真や動画を投稿するのではなく、投稿の中身にも工夫が必要です。
たとえば実際の使用シーンを載せることでユーザーも自身の体験をイメージしやすくなり、購買意欲を高めることができるでしょう。
エンゲージメントが高めやすい
写真や動画は、テキストよりも直感的に情報を伝えられ、ユーザーの興味を引きやすくなります。
その結果、「いいね」や「コメント」、「シェア」、「保存」などのエンゲージメントも生まれやすくなります。
テキストのみよりも、画像などのビジュアルコンテンツがある方が効果的であることはあらゆる調査で明らかになっています。
テキストのみ、ビジュアルコンテンツ込みのどちらでも投稿が可能なX(旧Twitter)で見比べると、ビジュアルコンテンツ込みの方がインプレッションを獲得していることが分かります。
コメントやDMだけでなく、アンケートやクイズなど、ユーザー参加型のコンテンツも作成が可能です。
気軽に交流ができる点も、エンゲージメントを高めやすいSNSと言われる要因でしょう。
商品販売までの導線がスムーズ
「ショッピング機能」を活用すれば、フィード投稿やストーリーズなどに商品タグを追加できます。
商品画像をタップすると詳細を確認でき、そのまま購入ページにアクセスすることが可能です。
ユーザーの購買意欲が高まったタイミングで商品購入へとスムーズに誘導できるため、離脱防止につながり、売上の向上も期待できます。
Instagramマーケティングのデメリット
Instagramは商品やサービスを視覚的に訴求できるプラットフォームとして、多くの企業で活用されています。しかし一方で、運用上の課題も存在します。
メリットだけでなくデメリットも理解した上で、自社にあった運用方法を見極めましょう。
拡散性があまりない
Instagramには、X(旧Twitter)の「リポスト」のような強力な拡散機能はないため、一気に認知を広げるのは難しいでしょう。
そのため根気強く投稿、エンゲージメントの強化を行う必要があります。
特に運用を開始してすぐの時は、継続的な発信やユーザーとの関係構築を意識した運用が求められます。
フォロワー外のユーザーにアプローチするためには、ハッシュタグやリール投稿を活用するのも効果的です。
投稿作成に労力がかかる
ユーザーは高速でコンテンツを流し見するため、一瞬で興味を引くことが重要です。
「より多くのユーザーの目に留まるコンテンツ」を作成するには、構図や色合い、テキスト配置などを工夫し、視覚的な魅力を高める必要があるでしょう。投稿の企画作成などの事前準備も大切です。
しかし画像や動画を中心とした投稿は、慣れていないと撮影や編集に手間取り、負担になりやすいです。
撮影や編集を外注するという方法もありますが、その場合は費用がかかるため、予算とのバランスを考える必要があります。
結果が出るまでに時間がかかりやすい
Instagramマーケティングは、短時間で大きな成果を出すことは難しく、軌道に乗るまでに時間がかかります。
ターゲットに適したコンテンツ計画を立て、地道に認知度やエンゲージメントを高めていく必要があります。
そのためには、継続的な投稿とユーザーとのコミュニケーションなど、日々の試行錯誤が欠かせません。
少なくとも数か月は準備期間ととらえ、根気強く運用することが重要なポイントとなります。
Instagramマーケティング成功のコツ
Instagramを上手く活用すれば、商品やサービスの魅力を効果的に発信し、販売促進などにつなげることができます。
ここからはInstagramマーケティングを成功させるためのコツを4つご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
目的・ターゲットを明確にする
投稿を作成する前に、まず運用の目的とターゲットを明確に設定することが大切です。
企業がInstagramを活用して行う代表的なマーケティングの目的やターゲットの設定例は以下のとおりです。
代表的な目的の例
認知度の向上 | 自社の商品やサービスを広めたい |
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販売促進 | 販売数を増やし、売上アップ |
顧客との信頼構築 | DMやストーリーズ機能などで顧客とのコミュニケーションを促進 |
サイトへの誘導 | Instagram経由で自社サイトへのトラフィックを獲得 |
ターゲットの設定例
年齢層 | 20〜30代 |
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職業 | 中小企業の営業アシスタント |
関心ごと | 美容、最新のコスメ情報など |
地域 | 関東地区 |
ニーズ | 価格と品質のバランスが取れたスキンケアを探している |
「目的・ターゲットの明確化」は、Instagramマーケティングを成功させる上で、重要な工程です。
数値目標を決める
数値目標という明確な基準を設定すると、「取るべき行動」が決めやすくなります。
チームで動く場合も、メンバー全員が共通のゴールを認識することで効率的に業務を進めることができます。
数値目標の達成状況は、「週単位」「月単位」などで定期的に確認しましょう。
もし目標値に達していない場合、「どのように改善すべきか」データを元に適切な改善策を講じることが可能です。
目的別の数値目標例
売上拡大 | 月間売上を前年比◯%増加させる |
---|---|
新規顧客獲得 | 1ヶ月で新規顧客◯人獲得する |
リピーターの増加 | リピート率を◯%以上引き上げる |
SNS運用 | フォロワーを◯人増加させる |
検索キーワードを意識する
SNSは単なる発信ツールではなく、検索エンジンとしても使用されています。
適切なキーワード対策をすると、発見タブや検索結果に表示されやすくなり、ターゲットユーザーに認知してもらえる可能性が広がります。
プロフィール欄に検索されやすいキーワードを入れる、キャプションに自然な形で関連キーワードを入れるなどを意識して行いましょう。
ハッシュタグの活用もおすすめです。Instagramの仕組み上では1投稿につき30個までハッシュタグを使用できますが、乱用すると評価が下がる恐れもあるため注意が必要です。
投稿内容と関連性の高いハッシュタグを厳選し、適切に活用することでより多くの方に情報を届けることができます。
分析・改善を繰り返す
SNS運用では、数値目標や行動目標に対する振り返りを行い、次月の施策に改善・変更を反映させることが重要です。
投稿データを通して、ターゲットユーザーがよく見ている時間帯や、関心を持たれやすい内容はどんなものかなど、試行錯誤を重ねることでより効果的な運用が可能になります。
また、Instagram公式が発表している分析ツール「インサイト」(アカウント制限あり)を活用すると、フォロワーの属性やエンゲージメント状況を詳しく把握できます。
【インサイトの利用条件】
・Instagramのアカウントを持っていること
・ビジネスアカウントかクリエイターアカウントに切り替えていること
定期的に分析や改善を重ねながら、より効果的な運用を目指していきましょう。
【注意】Instagramマーケティングで気をつけるべきこと
Instagramマーケティングは、効果的に行えば新規顧客の集客や認知拡大につながります。
しかし、運用方法を誤ると、炎上や売上の低下、ブランドの信頼性を損なうリスクもあります。
企業としてより良い運用をするために、注意すべきポイントを押さえ、適切なマーケティング戦略を実践しましょう。
コミュニケーションを取る
SNSはマーケティングにも活用ができますが、根本はコミュニケーションツールだと覚えておく必要があります。
フォロワー数だけを追い求めたり、一方的に宣伝ばかりにならないように注意しましょう。
コメントやいいね、DMなどを通して、ユーザーとの信頼関係を築き、エンゲージメントを高めていくことで企業の信頼性や認知度拡大へとつながります。
トレンドやアルゴリズムを意識する
トレンドやアルゴリズムへの対応は、投稿の表示回数やエンゲージメント率に影響します。
たとえば、旬な話題を取り入れることで投稿への反応が高まりやすくなります。
自社の運用方針に合うトレンドを厳選して取り入れると良いでしょう。
一方、外部サイトへの頻繁な誘導やハッシュタグの過剰使用などは、アルゴリズムによって表示が制限される可能性があるので注意が必要です。
このような事態を避けるために、公式アカウントなどから最新の情報を入手できるようにしておくことが求められます。
コンテンツの質や一貫性を維持する
企業がSNS運用を行う際、コンテンツの質と一貫性の維持は非常に重要です。
投稿の内容やテイストがバラバラだと、「結局何を発信したいアカウントなの?」と思われ、エンゲージメントが低下する恐れがあります。
また、ブランドイメージの構築にもマイナスの影響を与えかねません。
コンテンツの質や一貫性を維持するために、チーム内で目的・ターゲットの認識を共有しておきましょう。
適切な人員の確保も重要です。必要に応じて運用代行業者への外注なども検討すると良いでしょう。
Instagramマーケティングの手法を理解して効果的に運用しよう!
Instagramは運用に工夫が必要ですが、マーケティング効果の高い有効なツールです。
まずは基本的な運用方法を理解し、自社の目的やターゲットに合わせた活用方法を見つけることからスタートしてみましょう。
継続的な運用を通じて、徐々に自社らしい発信方法を確立していくことができます。
株式会社NWSでは、企業のSNS運用の内製化に向けた伴走支援を行っております。
SNS運用の研修やコンサルティング、運用代行まで幅広く対応いたします。
SNSでお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。

著者情報
NWS ライターチーム | mino