
「自社の魅力を伝えるために、ショート動画を始めよう!」
そう思い立ってカメラや照明を準備したものの、いざ撮影となると「そもそも何をどう話せばいいのか分からない」と悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、台本や構成はプロが作るもので、「自分には無理」と感じる方もいるかもしれません。しかし、実は参考にできる「型」があり、それに当てはめるだけである程度の形にはなります。
この記事では、今すぐ使える台本の3つの型と作成手順に加え、自社らしい発信にするための重要なポイントもあわせて解説します。
目次
なぜショート動画に台本が必要なのか?

ショート動画となると、「ドラマじゃないし…ノリで撮影したほうが自然でいいのでは?」「短い動画だし、必要ないでしょ?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、台本なしでカメラを回してしまうと、「撮影しながらその場で内容をまとめる」ことになってしまいます。
その結果、以下のような事態に発展する可能性があります。
- 撮影時間が伸びる: 「次は何を話そう…」と何度も撮り直すことになる
- 発信したい内容からブレる: 話が脱線し、結局「一番伝えたかったこと」がぼやける
- フォローにつながらない: その場限りの再生で終わってしまう
見てもらえたとしても、内容に魅力を感じなければ、視聴者は離脱してしまいます。
次の行動につなげるためにも、あらかじめ台本で内容を固めておくのがおすすめです。
なぜ台本作りは「難しい」?

とはいえ、実際に台本を書くとなると、「何をどんな順序で書くべきか」迷う方もいるのではないでしょうか?
このような迷いの原因は、「センス」や「文章を書くスキル」がないからだと、思う方もいるでしょう。
しかし、根本の原因は別のところにあるのかもしれません。
その1つは、「ショート動画特有の型」に慣れていないことです。まずは、内容を整理するために、基本となる「型」を知ることから始めましょう。
基本構成と今すぐ使える3つの型

ショート動画の基本は、「つかむ・伝える・動かす」だといわれます。
| 構成 | 役割 | 目安の時間 |
|---|---|---|
| ① つかむ(フック) | 冒頭1〜2秒で「自分に関係がある!」と思わせ、手を止めさせる。 | 0〜2秒 |
| ② 伝える(ボディ) | 最も伝えたい本題(結論、ノウハウ、ストーリー)をテンポよく話す。 | 3〜50秒 |
| ③ 動かす(CTA) | 動画を観た後に、視聴者に「次の行動」を促す(いいね、プロフ遷移など)。 | 残り数秒 |
この基本構造をベースに、目的に合わせて以下の3つの型を使い分けます。
悩みを解決する「問題提起型」
ターゲットが日常で感じている悩みや不満を冒頭で代弁し、解決策として自社の商品・サービスを提示する王道の型です。
つかむ・伝える・動かすの例
- つかむ: 「夕方になると肌がカサカサ…。このスキンケア、高かったのにな…。」
- 伝える: 「実は、それ『水分不足』ではなく、肌の〇〇が原因かもしれません。どんなに保湿しても……」
- 動かす: 「今日からできる正しいスキンケアの詳しい方法は、プロフィールのリンクからチェックしてみてね!」
視聴者が「まさに自分のことだ!」と感じる悩みをリアルな言葉で表現することで冒頭の離脱を防ぎ、その後の解決策(自社商品)への興味を高めることができます。
知識を届ける「ノウハウ提供型」
業界の専門知識や、役立つ情報を分かりやすく解説し、「有益なアカウント」として認知してもらう型です。
自社の専門性や技術力の高さをアピールするのに最適で、視聴者から「このアカウントをフォローしておくと得をする」と信頼を得るきっかけになります。
ノウハウ提供型の例
- つかむ: 「現役デザイナーが教える、すぐにマネできる文字入れのコツ3選」
- 伝える: 「1つ目は〇〇。2つ目は△△……」
- 動かす: 「あとで見返せるように、今のうちに保存しておいてくださいね!」
このように、専門家ならではの具体的なノウハウを提供することで、アカウントの信頼性が高まるだけでなく、「保存」や「シェア」といったSNSのアルゴリズム上で好まれるアクションを引き出しやすくなります。
ファンを増やす「共感ストーリー型」
商品開発の裏話、失敗からの大逆転、スタッフの熱い想いなどをストーリー形式で伝えます。
「企業の想い」や「人間味」を届けることで、他社との差別化を図り、長く愛されるブランド作りに貢献します。
共感ストーリー型の例
- つかむ: 「実はこの商品、発売1か月前まで大赤字でした……」
- 伝える: 「試作を重ねたけれど上手くいかず、諦めかけたその時、お客様から届いた1通のメールが……」
- 動かす: 「私たちの挑戦の続きは、ぜひフォローして見守ってください!」
成功体験だけでなく「失敗や葛藤」のプロセスも伝えることで、「この会社の商品を買いたい」「この人たちを応援したい」という感情につながりやすくなります。
初心者でも迷わない台本作成4つの手順

型が決まったら、実際に以下の4つの手順で台本を書き進めていきましょう。ポイントは「動画の目的」から逆算して作ることです。
手順1:視聴者に取ってほしい行動を決める
動画を観終わった視聴者に、どうしてほしいかを最初に決めます。
「いいねをしてほしい」「コメント欄に意見を書いてほしい」「プロフィール欄のURLをクリックしてほしい」など、1つの動画につきゴールは1つに絞ります。
手順2:届けるターゲットを明確にする
「誰に」届ける動画なのか、視聴者のペルソナを明確に設定します。
たとえば、単に「飲食店のオーナー」とするよりも、「インスタを始めたいけれど、日々の業務が忙しくて投稿時間が作れない個人の居酒屋オーナー」のように具体化していくのがポイントです。
万人受けを狙うのではなく、自社が本当に届けたい「たった一人の悩み」に絞ることで、視聴者の心に深く刺さる内容へと変化しやすくなります。
「投稿の方針が定まらない」「自社らしい発信って何だろう?」
「投稿内容がブレる」「何を発信すればいいかわからない」という場合、発信の土台となる「発信軸」を見直すことが、解決の近道になることがあります。
そんな方に、ゲーム感覚で発信軸が見つかるワークショップを開催中です。
手順3:テーマに合う構成の型を選ぶ
ターゲットとゴールが明確になったら、前章で紹介した3つの型の中から、どれを使うのが最も効果的かを決めて全体の骨組みを作ります。
ここで大切なのは、思いつきではなく「取ってほしい行動」から逆算して論理的に選ぶことです。
以下の選択基準を参考にしてください。
| 取ってほしい行動 | おすすめの型 |
|---|---|
| 商品やサービスの必要性を感じてほしい | 問題提起型 |
| アカウントを知ってほしい 保存・フォローしてほしい |
ノウハウ提供型 |
| 企業やブランドのファンになってほしい | 共感ストーリー型 |
「今回の動画を見て、どんな行動を起こして欲しいか?」を起点に考えることで、内容にブレが生じにくくなります。
手順4:冒頭2秒のつかみと言葉を書く
骨組みが決まったら、いよいよ具体的なセリフへと落とし込みます。
ここで重要なのは、「冒頭2秒」のつかみです。視聴者を瞬時に引き込めるよう、セリフだけでなく「文字入れの配置」や「映像の内容」までセットで台本に書き込みましょう。
冒頭2秒の具体例:問題提起型(スキンケア)の場合
セリフ(声): 「夕方になると肌がカサカサ…。このスキンケア、高かったのにな…。」
映像(演出): 化粧水を顔に叩き込んでいる映像からスタートし、動きで目を引く
画面の文字(テロップ): 画面中央に大きく赤字で「その保湿、実は意味ないかも…」と表示
セリフを書く際は、実際に声に出すことを意識しましょう。声に出した時に、違和感が無いように書きます。一文はできるだけ短く区切ることで、見聞きしやすいテンポが生まれます。
台本をつくる前に考えるべきこと

ここまで、ショート動画の型や作成の手順を解説してきました。
しかし型や手順を押さえても、「自社の場合、何を伝えればいいのか」という点には疑問が残るのではないでしょうか。
その原因の多くは、「発信軸」が言語化されていないことにあります。発信軸とは、「自社は、誰に、何を届けるのか」という基準のことです。
これが定まっていないと、どんな型を使っても「これでいいのか」という迷いは消えません。
「自社らしさ」は発信軸から生まれる
たとえば、同じ「飲食店」がショート動画を発信するケースを考えてみましょう。ターゲットや、伝えたい価値から、発信するテーマや言葉遣いの違いが感じられるはずです。
常連さんに愛されるアットホームな店
テーマは「スタッフの親しみやすいキャラクター」や「賑やかな店内の日常」になり、言葉遣いもフランクで温かみのあるものに寄ってくるでしょう。
記念日に選ばれる高級感のある店
テーマは「シェフの妥協なきこだわり」や「洗練された空間の空気感」になり、言葉遣いも丁寧で落ち着いたトーンに寄ってくるでしょう。
もし、前者の店が後者の真似をしてスタイリッシュな動画を作っても、自社のリアルな魅力は伝わりません。
このように、自社が誰に対して、どんなこだわりや大切にしている想いを持っているのか。
それがしっかりと社内で言語化されていれば、台本に載せる言葉も自然と絞られてきます。
まとめ:発信軸を一緒に考えてみませんか?

とはいえ、「自社は誰に向けて、何を届けるアカウントなのか」
と聞かれると、意外と言葉にするのが難しく感じられませんか?
実は、自社の強みやターゲット層ほど、社内だけで深掘りしようとすると「当たり前すぎて良さが見えない」という壁にぶつかりがちです。もし「ショート動画の企画や台本作りでこれ以上迷いたくない」と感じているなら、私たちと一緒に発信の軸を整理してみませんか?
ブレない土台を作り、自社らしい言葉を発見するために、ぜひご活用ください。
「投稿の方針が定まらない」「自社らしい発信って何だろう?」
「投稿内容がブレる」「何を発信すればいいかわからない」という場合、発信の土台となる「発信軸」を見直すことが、解決の近道になることがあります。
そんな方に、ゲーム感覚で発信軸が見つかるワークショップを開催中です。

著者情報
NWS ライターチーム | mino


