「会社でもそろそろSNSを始めたいけれど、どこから手をつければいいのか分からない」
「とりあえず利用者が多いSNSを選んでおけば安心なのでは?」
「SNSって色々あるけど、それぞれ何が違うの?」
このように、SNS運用を検討している企業の担当者の中には、どのプラットフォームが自社に最適なのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
単に「多くの人が使っているから」という理由だけで選んでしまうと、思うような効果が得られないケースもあります。
本記事では、企業向けの代表的なSNSプラットフォームの特徴や選び方の手順、さらには運用成功のためのポイントまでを詳しく解説します。
目次
代表的なSNSプラットフォーム7選
近年、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)は、企業のマーケティング戦略において欠かせない存在となっています。
しかし、SNSには多種多様なプラットフォームが存在し、それぞれ利用者層や特徴が異なるため、「自社にはどれが合っているのだろう」と迷う方も少なくありません。
この章では、企業がSNS運用を検討する際に押さえておきたい「代表的な7つのプラットフォーム」をご紹介します。
LINE
LINEは、日本国内で圧倒的な利用者数を誇るコミュニケーションアプリです。
メッセージ機能に加え、ニュース配信、決済、広告など多彩なサービスを展開しており、全年代での利用率は約95%にのぼります。
年代を問わず広く利用されており、企業は「LINE公式アカウント」を通じて、友だち登録してくれたユーザーに向けて以下のような施策を行えます。
情報発信
クーポン配布
顧客対応
こうした機能を活用すれば、高いアクティブ率を生かしたマーケティング施策が期待できるでしょう。
YouTube
YouTubeは世界中で利用されている動画共有プラットフォームで、日本国内でも全年代での利用率は約88%に達しています。
利用者の年齢層は幅広いものの、20代~40代の利用率が特に高い傾向にあります。
企業は自社チャンネルを開設し、次のような動画コンテンツを発信できます。
商品・サービス紹介
ハウツー動画
ブランドイメージ訴求
また、近年注目を集めている「YouTube Shorts」を活用することで、短時間でも効果的なプロモーションが可能です。
Instagramは、写真や動画を中心とした投稿が特徴のSNSです。
いわゆる「インスタ映え」が話題になったように、ビジュアルを通じたコミュニケーションが重視されています。
全年代での利用率は約56%、特に10代~30代の女性に人気があります。
Instagramの特徴的な機能は以下のとおりです。
ハッシュタグを活用した検索
EC連携機能による商品販売
フィード・ストーリーズ・リールなどの多様な表現形式
ファッション、グルメ、旅行などビジュアル訴求が有効な業種との相性が良く、ブランドイメージの向上にもつながるでしょう。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、140文字以内の短文投稿をベースとしたSNSで、リアルタイム性と拡散力の高さが大きな特徴です。
国内の利用率は49%とされており、ユーザーと気軽にやり取りできる点も魅力です。
企業がXを活用する際の主な用途は以下のとおりです。
キャンペーンやセール情報の告知
ニュース速報や企業発信の共有
カスタマーサポートや問い合わせ対応
ただし拡散性の高さに比例して炎上リスクも高まるため、情報の取り扱いには注意が必要です。
投稿内容には最新の注意を払い、慎重な運用を心がけましょう。
TikTok
TikTokは、15秒〜3分程度の短尺動画が中心のSNSで、10代を中心とした若年層に高い人気を誇っています。
国内の利用率は約33%と発表されており、エンタメ性と拡散性に優れたプラットフォームです。
TikTokの特徴は次のとおりです。
音楽やエフェクトを活用したユニークな動画
トレンドが生まれやすい仕組み
AIによる強力なレコメンド機能
企業はインフルエンサーを起用したプロモーションやチャレンジ企画を通じて、若年層との接点を築きやすくなります。
ブランディングや話題性の創出にも向いているSNSといえるでしょう。
Facebookは、実名登録制を基本とするSNSで、特に30〜40代のビジネスパーソンを中心に利用されています。
Facebookの強みは以下のとおりです。
実名制による信頼性の高さ
詳細なターゲティングが可能な広告配信
企業ページによるフォーマルな情報発信
イベント告知や事例紹介など、信頼性を重視した情報を届けたい企業に適しています。
また居住地域など、詳細な条件ででターゲットを絞り込んだ広告配信が可能なため、地域密着型ビジネスにも有効活用できます。
LinkedInは、ビジネス特化型のSNSとして、採用や人脈形成、業界ネットワーキングに活用されているプラットフォームです。
日本国内では他SNSと比べてユーザー数はやや少なめですが、その分ビジネス色の強い層に効率よくアプローチできます。。
LinkedInの主な活用方法は以下のとおりです。
採用活動・人材獲得
専門情報の発信や共有
BtoB企業のブランド構築
幹部クラスのユーザーや専門家も多いため、業界内での信頼構築やパートナー探しにも活用可能です。
BtoBマーケティングに力を入れたい企業には特におすすめのSNSです。
SNSプラットフォームを決める手順
SNS運用を成功させるためには、どのプラットフォームを選ぶかが最初の大きなポイントです。
日本国内には多くのSNSが存在し、それぞれに異なる特徴やユーザー層があります。
自社のターゲット層やマーケティング目的に合ったSNSを選ぶことで、運用の成果を最大化できるでしょう。
ここでは、SNSプラットフォーム選定時に押さえておきたい3つのステップをご紹介します。
自社のターゲットを明確にする
最初のステップは、自社がアプローチしたいターゲット層を明確にすることです。
以下のような観点から、具体的なペルソナを設定しましょう。
年齢層
性別
興味関心
行動特性
各SNSにはそれぞれ年齢層に応じた利用傾向があるため、事前にターゲットの利用傾向をリサーチしておくことが大切です。
たとえば、10代後半〜20代をターゲットにしている場合、TikTokやInstagramが有力な選択肢となります。
適切なプラットフォームを選ぶことで、届けたい相手にしっかりと情報が届き、より効果的な運用が実現できるでしょう。
SNSごとの強みと自社との相性をチェック
ターゲットが定まったら、次は各SNSの特性と自社の目的との相性を確認します。
自社の伝えたい情報やマーケティング手法に最も合致するSNSを選びましょう。
SNSごとの強みとしては、下記が例として挙げられます。
X(旧Twitter) | 速報性や拡散力を活かしたキャンペーンやニュース配信に適している |
---|---|
ビジュアル訴求が得意で、ライフスタイル系やECと相性が良い | |
YouTube | ハウツー動画やストーリーテリングで商品理解を促進できる |
SNSごとの「強み」と「向いているコンテンツ形式」を見極めることがポイントです。
複数のSNSを組み合わせる戦略
SNSは1つに絞る必要はありません。
むしろ、複数のSNSを戦略的に組み合わせることで、より広範なユーザー層へのリーチが可能になります。
下記は、代表的なSNSプラットフォームの活用例です。
プラットフォーム | 主な特徴 | 向いている活用方法 | 主なユーザー層 |
---|---|---|---|
LINE | ・国内最大級のユーザー数 ・高いアクティブ率 |
・クーポン配布 ・顧客対応 ・情報発信 |
幅広い年齢層(全年代) |
YouTube | ・動画に特化 ・ストック型コンテンツが得意 |
・商品、サービス紹介 ・企業ブランディング ・ハウツー動画 |
10〜40代が特に多いが、全年代にリーチ可能 |
・写真・動画中心 ・視覚的な訴求力 |
・ブランドイメージ強化 ・EC連携 ・若年層へのアプローチ |
10〜30代(特に女性) | |
X(旧Twitter) | ・短文投稿 ・リアルタイム性と拡散力が強い |
・キャンペーン告知 ・ニュース速報 ・カスタマーサポート |
幅広い年齢層(10~30代中心) |
TikTok | ・短尺動画 ・トレンド性が高い |
・若年層向けPR ・チャレンジ企画 ・インフルエンサー施策 |
10〜20代中心 |
・実名制 ・信頼性が高い |
・企業情報発信 ・ターゲティング広告 ・地域コミュニティ運用 |
30〜40代のビジネスパーソン | |
・ビジネス特化型SNS | ・採用活動 ・専門知識の発信 ・BtoBブランディング |
ビジネス層(特に管理職・専門職) |
(参考:令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書 | 総務省)
それぞれの特徴を生かし、役割分担させることで、より効果的なSNS運用が実現できます。
目的やフェーズに応じて柔軟に組み合わせていきましょう。
【目的別】企業に適したSNSプラットフォーム
SNSプラットフォームの選定は、企業のマーケティング戦略において非常に重要なポイントです。
ターゲット層やビジネスモデルによって、効果的なSNSは異なります。
この章では、目的別におすすめのSNSをご紹介します。
- BtoB(企業間取引)向け
- BtoC(一般消費者向け)向け
- 地域密着型ビジネス向け
自社の事業特性や目的に合ったSNSを選ぶことで、より効率的かつ成果につながる運用が可能になります。
BtoB向けに適したSNS
BtoB企業がSNSを活用する目的として、下記が挙げられます。
見込み顧客(リード)の獲得
業界内での認知度向上
専門知識やノウハウの発信
企業向けに情報発信を行う場合は、ビジネス色の強いSNSが特に向いています。
おすすめのSNSは以下の2つです。
プラットフォーム | 活用ポイント |
---|---|
採用活動や業界交流、BtoB向けの情報発信に強い。 ビジネスパーソンにダイレクトにアプローチ可能。 |
|
実名制による信頼性の高い発信が可能。 ビジネス情報の共有、事例紹介にも活用できる。 |
「フォーマルな印象を与えるSNS」を活用し、業界内での信頼構築を目指すとよいでしょう。
BtoC向けに適したSNS
BtoC向けビジネスのSNS活用目的は下記のとおりです。
ブランド認知度の向上
顧客とのコミュニケーション強化
商品・サービスの販促
幅広い年齢層にリーチでき、多様なコンテンツ形式に対応できるSNSを選ぶことがポイントです。
おすすめのSNSは以下のとおりです。
プラットフォーム | 活用ポイント |
---|---|
LINE | 生活インフラ的存在であり、高いリーチ力。 クーポン配布や定期配信による顧客との接点づくりに有効。 |
ビジュアル訴求に強く、ECとの相性も抜群。 若年層向けのブランディングや販促におすすめ。 |
|
X(旧Twitter) | 高い拡散性を活かして広く認知を拡大し、リアルタイムな情報発信で顧客に対してアプローチできる。 |
TikTok | 短尺動画による視覚的な訴求で、若年層を中心とした幅広い新規ユーザーにリーチできる。 |
このほか、商品説明などにYouTubeを組み合わせれば、より多角的なアプローチが可能になります。
地域ビジネス向けに適したSNS
地域密着型のビジネスでは、地元の顧客との関係構築が何より大切です。
来店促進や地域貢献の発信を通じて、信頼関係を築いていくことがポイントになります。
そのためには、地域に根ざした情報発信に適したSNSを選びましょう。
おすすめのSNSは以下の2つです。
プラットフォーム | 活用ポイント |
---|---|
地域コミュニティとのつながりや、イベント告知に強い。 地域密着型グループの活用も可能。 |
|
ハッシュタグを活用することで、地域情報の検索・拡散が容易。 店舗の雰囲気や日常の発信にも向いている。 |
こうしたSNSを通じて、親しみやすいブランドイメージを築くことで、地域住民とのエンゲージメントを深めることができるでしょう。
SNS運用を成功に導くポイント
SNSプラットフォームを選定したあとは、いよいよ本格的な運用フェーズです。
しかし、SNSはただ投稿するだけでは成果に結びつきません。
継続的に成果を出すには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、SNS運用を成功に導くために欠かせないポイントを3つご紹介します。
コンテンツの質と継続性
まず重要なのは、「質の高いコンテンツ」を「継続的に発信」することです。
魅力的なコンテンツはユーザーの関心を引きつけ、エンゲージメントやフォロワーの増加につながります。
特に意識したいのは以下の点です。
ターゲットユーザーの興味関心に合った情報を発信する
有益で信頼性のある内容を届ける
視覚的な訴求力を高める(画像やイラスト、動画の活用)
既存SNSだけでなく新興プラットフォームの動向も把握しておき、必要であれば早い段階で活用を始められるようにしておきましょう。
SNSは常に変化しているため、柔軟かつ継続的に改善する姿勢が求められます。
フォロワーとのエンゲージメント
SNSは情報発信の場であると同時に、ユーザーと双方向の関係を築ける場でもあります。
単に発信するだけでなく、フォロワーとのコミュニケーションを意識することで、より深い信頼関係を築けます。
具体的なエンゲージメント施策には、以下のようなものがあります。
コメントへの返信やリアクション
Q&A形式の投稿やアンケートの実施
ユーザー参加型キャンペーンの展開
グループ機能やライブ配信による交流の場の提供
こうした取り組みは、長期的なファンづくりにも効果的です。
広告運用と分析の重要性
SNS運用をさらに加速させたい場合は、広告機能の活用も検討しましょう。
ターゲティングを行えば、情報を届けたい相手に、より効率的にアプローチできます。
主なSNS広告の特徴をまとめると以下のとおりです。
プラットフォーム | 主な広告機能 | 特徴・活用ポイント |
---|---|---|
LINE | ・トークリスト広告 ・LINE VOOM ・LINE公式アカウント経由の配信 |
生活導線に自然に入り込める点が強み。 リピーター向け施策や地域配信にも有効。 |
YouTube | ・インストリーム広告 ・バンパー広告 ・ディスカバリー広告など |
動画で商品・サービスをストーリーとして伝えられる。 ブランディングや教育関系にも活用可能。 |
・フィード広告 ・ストーリーズ広告 ・リール広告/ショッピング連携 |
ビジュアルで直感的に訴求でき、EC・美容・ファッションなど感性重視の商材に適している。 | |
X(旧Twitter) | ・プロモツイート ・プロモアカウント ・トレンド広告 |
拡散力が高く、話題性を狙ったキャンペーンと相性が良い。 リアルタイムイベントとも好相性。 |
TikTok | ・インフィード広告 ・ブランドチャレンジ ・TopView広告など |
若年層の関心を引くユニークな広告演出が可能。 トレンドとの連動が成功のカギ。 |
・リード広告 ・カルーセル広告 ・動画広告 ・メッセンジャー広告 |
セグメント精度が高く、特定属性へのリーチがしやすい。 BtoB/BtoCどちらにも活用可能。 |
|
・スポンサードコンテンツ ・インメール広告 ・テキスト広告など |
ビジネス層に特化。 採用広告や業界向けPRに強く、BtoB施策との相性が抜群。 |
また、運用の成果を最大化するには、定期的な効果測定も欠かせません。
下記に確認すべき指標の一例を記載します。
投稿のリーチ数やインプレッション数
エンゲージメント率(いいね、コメント、シェアなど)
フォロワー数の推移
広告のクリック率・コンバージョン率
これらの数値をもとに、効果的だった施策を見極め改善点を洗い出すことで、SNS運用を最適化させていくことができるでしょう。
まとめ|代表的なSNSを活用してSNS運用を成功させよう
ここまで、企業におけるSNS活用の基本から、運用成功のためのポイントまで解説してきました。
最後に、本記事の要点を振り返りましょう。
SNS選定のポイント
- ・自社のターゲット顧客を明確にし、ペルソナに合ったSNSを選ぶ
- ・各SNSの特徴や強みを把握し、自社の目的との相性を検討する
- ・単一のSNSに絞らず、複数のSNSを組み合わせる戦略も有効
運用を成功させるためのポイント
- ・ターゲットに響く質の高いコンテンツを継続的に発信する
- ・フォロワーとの積極的なエンゲージメントを通じて信頼関係を築く
- ・広告機能を活用しながら、効果測定に基づく改善を繰り返すことが重要
しかしSNSの選び方がわかっても、「実際に運用していけるか不安…」と感じる方もいるでしょう。
そのような場合は、SNS運用に詳しい専門家のサポートを受けることをおすすめします。
知識と経験を活かしたサポートにより、戦略的かつ安心してSNS運用を進めることができます。
株式会社NWSでは、SNSプラットフォームの選定から、日々の運用・改善まで、企業のニーズに合わせたサポートを提供しています。
SNS運用に関するお悩みがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。

著者情報
NWS ライターチーム | ゆみか